18 ページ18
.
シャッター音に合わせてポーズを変えていく。
カメラマンの方がOKサインを出すと、スタッフさんの声が現場内に大きく響いた。
SF「撮影終了です！お疲れ様でした」
『ありがとうございました』
関係者の方々に頭を下げてから更衣室へ向かおうとしたとき、私の元に駆けてきたマネージャー。その表情といったら、今の私にとっては正反対の笑顔だ。
MG「まだ時間あるから急がなくて大丈夫」
『うん、わかってるよ』
私にそう言いながらも何度も時間を確認する彼女を見て、「1番急いでるのは自分じゃん」と思わず声を漏らした。
今日はBTSの東京ドーム公演。昨日の朝に突然チケットがあることを知らされた私は、正直今でも乗り気ではない。
MG「昼はどうする？」
『ドーム周辺のカフェでいいんじゃない？』
MG「わかった。準備して」
マネージャーに言われ、仕方なく早めに着替えを終える。現場を後にすると、タクシーで東京ドーム近くのカフェに向かった。
『今日人多いね』
MG「BTSのライブがあるからだと思う」
『ああ、そっか』
彼らは世界で大人気のグループだ。日本にも相当多くのファンがいることだろう。
空いている席に座ってメニュー表に目を通す。ランチセットを注文してから、SNSを確認するためにスマホを鞄から取り出した。
ファンからのメッセージを見ていると、大学生と思われる女性2人が恐る恐る私に話しかけてきた。
「あの、すみません。もしかしてAさんですか？」
『あ、はい』
スマホの画面から視線を外し、「本物だ…」と驚いている彼女たちに笑顔を向ける。涙目で私を見つめる2人。必死に声を出そうと頑張っている様子が見て取れて、微笑ましい気持ちになった。
「Aさんの大ファンなんです！写真撮って頂いてもいいですか？」
『ありがとう。もちろんいいよ』
ファンの方とコミュニケーションをとるのがすごく久々で。自分のことを好きでいてくれる人がいる喜びを改めて実感した。
「ありがとうございます！これからも応援してます！」
『こちらこそありがとうね』
彼女たちはスマホをぎゅっと握りしめたまま去っていった。
MG「ファンの前では笑顔が増えるね」
『当然でしょ』
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1423人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キオ - senaさん、ありがとうございます！大好きです！これからも、応援してます！ (2020年4月21日 21時) (
レス) id: 61705e5b9d (このIDを非表示/違反報告)
nana(プロフ) - おとしだま…ないの…？ (2019年1月1日 2時) (レス) id: f3c78cde16 (このIDを非表示/違反報告)
ちむ子(プロフ) - あけましておめでとうございます！！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2019年1月1日 1時) (レス) id: ba915e60a4 (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - あけましておめでとう！更新してくれてありがとうございます！楽しみです！ (2019年1月1日 0時) (レス) id: ade9e6462e (このIDを非表示/違反報告)
Yuki - とっても面白いです！ぐったんと幼馴染とか、、、めっちゃうらやましいですよね笑笑更新ファイティン！！！ (2018年12月30日 16時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：星雫 | 作成日時：2018年12月29日 21時
