恐怖の音・拾弐 ページ13
そう思うと、無性に怖くなった。
もしこのまま戻れなかったらどうしよう
私が戻った時、みんながもういなかったらどうしよう
死んでしまったら、成長し始めて大人になってしまったら
考えるだけで恐怖を感じる。
あれ、未来ってこんなにも怖いものなの？
いつか死ぬ事がこんなにも怖い事？
時間は限られてる。
なのに、本当の家族と過ごせないの？
どうして？私は家族を愛しているのに
もう会えないの？
胸に穴が開いて、そこから恐怖という重りを入れられてるみたい。
怖い涙が出る。
Aの異変に気付いた伊之助
伊之助はAのそばに寄って肩を掴んだ。
「おいどうした！！
どっか痛えのか！」
心配するその声に、Aは涙を流した。
自分が何をしているのかわからなくなる。
自分が情緒不安定なのは知っていた
けれどここまで感情のコントロールが難しくなっているとは思わなかった。
でも、当たり前といえば当たり前なのかもしれない。
ここに来ることも、本当はあり得ないこと
来てからも、信じがたいこと、怖いこと、嬉しいこと、
沢山ありすぎた。
まるで、たった3年で30年生きたかのように感じる。
自分が自分で無くなるんじゃないかと心配になったこともある。
『伊之助…助けて、怖いの
死ぬ事も、会えなくなるのも
全部怖い』
私は伊之助の腕にしがみついて言った。
嗚呼、また泣いた。
伊之助はどう思うだろう、こんな変人
「…生き物は死ぬ
わかりきってんだろ
怖がっても、嫌っつっても！
来るんだよ！だから今！
やりてえ事全部やって！！
胸ん中なんも残らねぇようにすんだ！！」
嗚呼、安心する
モヤモヤした重いものが、胸からサッと引いていく
そっか、そうだよね、絶対死は人の目の前にある。
それをどう回避するのかを考えるんじゃなくて、その前にやりたい事を全部やっておく。
後のことなんてあと考えれば良い。
もし、家族に会えなくても…その時はその時考えれば良い。
信じるしかできないんだ。
帰れるって、信じるしか
考え込むと、止まらなくなる癖、治らないかな
事あるごとに泣いてちゃ足手まといだよね
強くなろう、こんなことに左右されない強い奴になろう
死ぬことなんて考えるな
ただ今やりたいことだけを考えろ
『ありがとう、親分！
私、なんか晴れた！』
笑ってみせると、伊之助も笑った。
「変な奴！！」
今ならわかる
親分がこの言葉が好きな理由が、
『猪突猛進に！』
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いくら - あ、すき…（素敵な小説ですね！更新楽しみにしてます！） (2020年5月8日 10時) (
レス) id: 16c4d9d785 (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - (=ﾟωﾟ=)にゃあさん» ありがとうございます。応援を糧に頑張っていきます。最近スランプでかけていないですけれども、頑張ります。 (2020年4月19日 20時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
(=ﾟωﾟ=)にゃあ(プロフ) - 凄く面白くて更新楽しみにしてます！がんばってください！ (2020年4月19日 19時) (レス) id: 91777e8ddd (このIDを非表示/違反報告)
弥生夏(プロフ) - 葉月さん» ありがとうございます！！頑張ります！、 (2020年4月12日 14時) (レス) id: 2f1398aac7 (このIDを非表示/違反報告)
葉月 - 面白いです！更新頑張って下さい！ (2020年4月12日 14時) (レス) id: 49b2bcdaf0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弥生夏 x他1人 | 作成日時：2019年12月26日 23時
