影山君の彼女は元ストーカー！？

相思相愛 ページ1

「好きだ」



その一言が私に突き刺さる。

彼は真剣な顔つきで私を見ていた。

彼の青い瞳に吸い込まれそうになる。

何故彼が、彼程の人が、

私なんかを好きになったのか、

わからない。

けれど、彼はずるい。

私が断れないのを、知らないくせに、

私がどれだけ貴方のことを思っていたかなんて、

彼にはわからない。



『…ありがとう。

私も、大好き…！』



そういうと彼は、普段緩まない表情を柔らかくして

笑った。

私は表情を少し緩めて見る。

脳裏に焼き付けるようにして、



「これからも、よろしく」



『はい』



淡々とする会話の中に混じる恥ずかしさともどかしさ、

その空間が、とてもしあわせだった。




それから私は、行こうと決めていた超難関高校を取り消し、彼の行く高校に決めた。

両親も担任も私を引き止めたが、私は止まらない。

世界で一番愛しい彼との、高校生活なのだから。






『嗚呼、なんて幸せ…。

私如きが彼の隣を歩けるだなんて…。』



私はそっと制服を撫でた。

この制服で、これから毎日、彼の隣を歩く。

それを想像しただけでも、幸せが溢れる。



『これで、もっともっと、彼を知れる。

彼の行動も全て観れる。

なんて最高なの…。

彼からの告白から３６１時間１６分９秒がたった今、

彼と一緒にいる時間が１日２時間４８分３秒も伸びた。』








そして、４月２日

私と彼の高校生活が、始まった。

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