滑稽ないのち【ヒロアカ】 (ページ22)

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21話ページ22

【Noside】

『………』

勢いで教室を出たAは、図書室にでも行こうか迷っていた。

本を持ったままふらふらと廊下を歩けば、自然と他クラスの視線を浴びる。

少し肩を竦め下を向く。

「あ、3年2組の…」

「あの先輩が噂の？」

「家が指定敵団体だとか」

「よく学校来れるよな」

『………』

『(仕方がない、今は仕方がないんだ。)』

「どうせ裏口入学だろ？知識を付けてもっと犯罪を犯しやすくする為に。」

「あー、だから成績も良いんだ。」

「敵だから教養も何もないんだろ。もしそうなら保護者が馬鹿だから代わりに通わされてるんだよ。」

「ﾌﾌｯ、かわいそ〜。」

＿バサｯ＿＿

Aは本を落とした。

落とした音の後、廊下に重い音が響く。
そして、その音はがやついた廊下を静めるには十分だった。

「いｯ＿＿＿」

『あ…』

さっきまで嗤っていた男子生徒は、右頬を押さえ地面に尻もちをついた。

「何してんだ?!」

「ちょっと！先生呼んでよ!!」

『あ、違う…殴る、つもりは……』

Aは男子生徒を殴り飛ばした。

周りの生徒が騒ぎ出し、それに反応する様に担任が駆け付ける。

担任「誰かこいつを保健室に連れてってくれ。」

担任「…はァ…治崎、お前はこっちに来い。」

『………はい』