滑稽ないのち【ヒロアカ】 (ページ12)

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11話ページ12

【貴女side】

『……』

構成員「え、ちょっと！壊理ちゃん?!」

本来なら直ぐに追いかけるべきなのだろう。
でも、その時私は壊理の背中を眺めるだけだった。

構成員「ちょ、本気でまずいですよ！」

『…そうですね、大変…早く連れ戻さないと、』

「辛い」、「嫌だ」、「痛い」
この数週間壊理が言っていた言葉。

痛いのも分かる、辛いのも分かる。でも＿

『(本気で救けてくれる人なんていないのに。貴女が"こちら側"なら、誰も＿)』

構成員「Aさん、早く連れ戻さないと！」

『大丈夫、私が追いかけるので。』

そう遠くには行かないはずだ、早く見つけないと。

『(迷子になったら大変…)』

逃げ出そうとする程追い込まれていたのだろう。

確かに、最近は少し多い気がする。後でお兄ちゃんに掛け合ってみよう。

『(お兄ちゃんは当たりが強いから怖がられるんだ、もう少し皆と打ち解けられたら良いんだけど…)』

邸宅を出て、路地裏をウロウロと歩く。

通学路以外はあまり通らない、近所のはずなのに、どこか新鮮さを感じる。

『どこだろ…＿＿あ、壊理！』

白い髪とワンピースが見えた。

路地裏の先にいる壊理を目指し、私は足を早めた。