君の言葉は ページ26
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それからは特に会話をすることなく、無事、Aさんの家へ辿り着いた。
すると同時に、車が目の前で止まる。
「…?!え?!Aちゃ…え?!泣いてるの?!どうしたの?!」
車から降りてきたのは幼い男の子を抱いた女性だった。
『…あ、真弥さん〜、おかえりなさい。』
ゆっくりとAさんを下ろして松葉杖を渡す。
「ほんとにごめんね迎えに行けなくて…足は平気?」
『いいのいいの!お疲れ様!足は…まぁそのうち治るよ。』
…なんだ、仲いいんじゃん。
気を遣うから疲れる、とか言ってたからもっとピリついてんのかと思った。
「そう…あ、Aちゃんを送ってくれてありがとうございます。えっと…」
『あ、この人ね、送ってくれただけじゃなくて保健室まで運んでくれた。』
「えぇ…?!もう本当になんてお礼をいえば」
ぺこり、礼儀正しくお辞儀をする。
なんだ、いい人じゃん。
「にいちゃん、Aちゃんのかれしぃ?」
このチ……Aさんの弟、ませてるな。
『コラコラコラ!違うよバカタレ!友達!』
ほんと、さっきまでの潮らしさはなんだったのさ。
もはや呆れてため息が出そうだよ。
「それじゃあ僕はこれで失礼します。」
会釈をして、その場を去ろうとする。
すると
ぐん、と腕を引かれた
『ありがとう月島!…また明日ね!』
「…また明日ね、A。」
今の、ちゃんと聞こえたかな。
まぁ、聞こえてなくてもいいんだケド。
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翼。 - とても好きな、素敵な内容です…!!更新頑張ってください!全裸待機してます! (2020年2月24日 9時) (レス) id: 6071deca71 (このIDを非表示/違反報告)
名無しマン(プロフ) - まりさん» ありがとうございます…!!心折れかけてましたが必ず完結させます!最後までご覧いただけましたら幸いです。 (2020年2月10日 9時) (レス) id: 86465e48b5 (このIDを非表示/違反報告)
まり - めっちゃめちゃ面白いです!更新頑張って下さい! (2020年2月10日 1時) (レス) id: e95d173cf7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たるとたたん | 作成日時:2020年2月9日 1時