【HQ】私、脇役演じてるだけなんで。【青葉城西】

9.嘘 ページ10

練習後、バレー部のみんなで話しながら帰るのが習慣となっている。


「沢田ぁ〜」


「え？あ、はい、なんでしょう？」



話し掛けてきたのは花巻さんだった。


いつもの軽いノリだから、きっと変な話だろーな...。




けれど。




「あのさ」



急に真剣な顔になった花巻さんの様子に、思わず足を止めてしまう。




「さっきテーピング取りに行った時、ホントは何してたんだ？」




「...え、」



「見つからなかった、なんて嘘ついてもバレるからな」


まじかよ。


テーピング見つかりませんでしたで済ませる気満々だったよ。



「部室の鍵、持ってかなかったろ」


「......」




やっべ。


別に平気だべーとか思ってたよ。


まさかそこまで見てるとは。


でもまだ私は言い訳できるっ！



「いや、鍵忘れたんで戻ろーとしたら、そーいえばテーピング、救急箱の底に埋まってたかなーって」


「ふーん？」


「あ、信じてないっすね」



まぁ嘘だから信じるも信じないもないけどな！



「別にいいけど。部活サボっちゃいけませんよー」


サボってない、とまた嘘を重ねようとした時、みんなが私達を待っている事に気付いた。



「まぁ、話したくなったら話します」




＿＿＿きっとその日はすぐに来る。




私達は小走りでみんなのほうへ向かった。

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