【HQ】私、脇役演じてるだけなんで。【青葉城西】

15.別れ ページ16

Aside
−−−−−−−−

「それで結局直聞きに行って、ああなっちゃってる...」


「...そうだったんだ」


この子は凄い。


勇気出して意見を言って。



「...あ、もうすぐHR始まるね。じゃあ...私はこれで」


微笑んでひらひらと手を振る彼女に、私も慌てて振り返す。


「じゃあまたね」



彼女が去っていくのを見送って、私は立ち上がる。


「さてと。私も行こ。...あ、その前に」



忘れるところだった。


ポケットからスマホを取り出してタップする。


と、ピーッと機械音が鳴り、同時に画面には



『録音を終了しました』



の文字が表示された。



「...まさかあの藍海先輩がね...」



廊下に誰もいないからか、私の小さな笑い声が響いた。



「あの子達に酷い思いさせたんだからさ、...タダじゃおけない、よね？」



ｷｰﾝ ｺｰﾝ ｶｰﾝ ｺｰﾝ



「ああっ！遅刻！」


今さっき自分の頭に浮かんだ恐ろしい考えを消す様に、思い切り頭を振って、私は走り出した。

16.in 英 るーむ→←14.女バレ3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す