【HQ】私、脇役演じてるだけなんで。【青葉城西】

10.さっき ページ11

みんなと別れて、現在英と2人で帰宅中。


朝と違って、長い沈黙が流れる。


足音が凄く耳に入ってきて、なんか寂しい。




「...さっき」



急に呟いた英に驚きつつ、どうしたー？と返す。



「花巻さんと何話してたの？」


「...おっ？もしや英クン嫉妬ですか??」


「いや別に違うし」


「...そっすか」


少しの照れた様子も見れなかったのでふざけるのはやめた。



「...女の子が、泣いてたんだよね」



「??」


「テーピングのは勿論嘘なんだけど。それは気づいたでしょ？」


「そりゃあ」



「...女バレの、主将が...女の子を...」



そう言うと、英は目を見開いた。


「だからハンカチ渡して部活戻った。サボってた訳じゃないからね」


「分かるよ。だってAトイレから出てきた時、手濡れてたじゃん。あれってハンカチが無かったからでしょ」



さすがだわ。


そーゆー事考えられる脳が欲しい。


「花巻さんには、テーピングの事聞かれた。さすがにその女の子の事は言えなかったけど」


その子が泣いてたのは貴方と同じ学年の夏狩さんのせいです、なんて言えたもんじゃない。


「だからてきとーに誤魔化しといた。多分嘘ってバレてるけど」


「ふーん。...あ、」



気づくともう分かれ道だった。



「じゃあ、また明日」


「うん、ばいばい」




今日は凄く濃い一日だったな。


...その日はあまり眠れなかった。

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