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顔を洗って軽く化粧をして、家を出る。
「おはよ、」
佐「おはよー！A！」
ラ「Aちゃーん！おはよー！」
翔「…ふぁぁ、はよ」
舘「おはよう、A」
岩「…はよ、早いじゃん」
阿「おはよう」
深「…はよ」
一晩考えて決めた事。
私ね、それでもこの居場所を失いたくないよ。
だからね気づかないふりをするの。
"…気づいてないと思ってる？あの日、2人がAの家で何をしていたのか、"
阿部ちゃんが言った言葉の意味は私だって理解してる。
それでもね、今まで上手くやってたんだもん。
何も知らないふりして、気づかないふりをして、
そうすれば私達、"仲間"でいられるでしょ？
持っていた鞄を下ろして、隅の椅子に腰掛ける。
いつもと変わらないみんなに安心して、この選択は間違ってないんだってそう思ったんだ。
目「ねぇ、何かあった？」
「っ、…目黒」
康「なーんか変やで？A」
「康二…」
だけどね、一度ずれ始めた歯車はそう簡単には戻ってはくれない。
「…別に、何もないけど」
康「うそやん！顔が強張ってるで？」
目「Aさんってわかりやすいから、」
目の前の椅子に座った2人は心配そうに顔を覗き込んだ後、何も言わない私に困ったように顔を見合わせた。
康「よっしゃ！じゃあ今日は3人でご飯でも行くかぁ」
目「おっ、いいね。康二の奢りで」
康「なんでやねん！…まぁ、ええけど」
「…はっ？ちょ、ちょっと」
「強制だから」と念を押されて、足早に去っていく2人の背中に私のため息が溢れた。
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作者名：えんちゃん | 作成日時：2020年10月26日 0時
