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「今日？暇だよ？」
阿「じゃあさ…ご飯でも行かない？」
「うん、大丈夫だけど…」
・・・珍しい。
阿部ちゃんとご飯に行く事は今までだってあった。
でもいつも、帰る流れで「行く？」ってなる事が多かったから。
「…悩み事？」
阿「ううん、違うんだけど…」
こうやって約束して行く事が珍しくて変に緊張してしまう。
阿「楽しみにしてる」
「あ、うん」
ニコッと笑った阿部ちゃんはそのままみんなの元へと歩いて行く。…あざと。
あんなアイドルスマイルで笑いかけられたら、可愛いなって思うじゃないか。
目「…なんの話？」
「わっ、目黒」
目「阿部ちゃんとご飯行くの？」
「うん、行く事になった」
「目黒も行く？」と問いかけたら、「今日はいいや、阿部ちゃんに譲ってあげる」なんて笑って腰を下ろした。
目「ねぇ、Aさん、」
「んー？」
ぼんやり部屋を眺めていた視線を目黒に向ける。
目「俺さ、隠すのとか苦手だし思った事は言うタイプじゃん？」
「まぁー、そだね。」
はっきりと自分の意見が言える事。
目黒の長所だと思う。
目「それに負けず嫌いじゃん？」
「ははっ、自覚あるんだ」
そう笑えば、「ふはっ、自覚あるよ」と笑われる。
目「長期戦でも良いかなぁって思ってたんだけどさ。みんな動き出しそうだし、俺もそろそろ我慢の限界かなーって」
「…何の話？」
目黒の真っ黒な目が、ずっと私の視線を捉える。
その目があまりに綺麗だったから、私は視線を晒すことができなかった。
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作者名：えんちゃん | 作成日時：2020年10月26日 0時
