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阿部side
阿「あのルールがなかったら俺達…どうなってたのかなって思うよ」
「どうなってたって、そんなの…」
阿「…気づいてたでしょ？俺達がAをどう思っていたのか、」
「っ、」
気づいてない訳ない。そう確信が持てる。
それだけ俺達6人は、Aの事を大切に大切に扱っていたんだから。
阿「…正直ホッとしたよ、これでAが誰にも取られなくて済むって思った」
「…阿部ちゃん」
阿「自分の物に出来なくても、誰かの物にならないのならいいやって…そう思った」
それはたぶんみんな同じで、だからこそその提案に反対する人はいなかった。
きっと優しいAだから、誰か1人を選ぶ事なんてできないと思ったし。よかったんだ、このままで。
阿「俺は…今でもAが好きだよ。ちゃんと、恋愛的な意味で」
俺の言葉に俯いたAは弱々しくて、
大人になったと思ってもまだ純粋な少女のようだった。
だからきっとあの日、2人はルール違反をした。
阿「…気づいてないと思ってる？あの日、2人がAの家で何をしてたのか、」
「っ、」
阿「…悪いけど、ルール違反をしたのはそっちだから。だから俺も、ルールを破るよ」
ずっと胸の中に閉じ込めておくには、大きすぎる思いだった。
メンバーでいられたら、この思いが消せたのなら、
そう何度も考えて悩んでそれが無駄だと知った。
阿「…俺の事も男として見てよ、」
視線を上げたAの瞳が俺の瞳と重なった時、
自分の中のストッパーが一気に外れた音がした。
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作者名：えんちゃん | 作成日時：2020年10月26日 0時
