独りの少年と五年生。

二人の生活、後編　(１) ページ26

頭を押さえて涙目になるハチを放って、狩りの準備を始めた。


途中で『本当に大丈夫か？』と言われので、適当に相槌を打つ。

あまり舐めるなよ。こっちは本物のマタギに育てられてんだ。



荷物を腰に、苦無を懐に入れ、少し古びた猟銃を背負う。



家から出る前に振り返り、声をかけた。

A「心配せずとも、少ししたら帰ってくる。
　 夕方には飯の準備するから。

　 …だから、そんな顔すんなって」

朝とは正反対で、不安げなハチがこちらを見つめてくる。


八左「絶対に、怪我するなよ。俺は手当て出来ないんだから」

A「分かってる」



どの口が言っているのだろうか。


秋の涼しげな森へと出発したのが昼のことだった。















A「はっ…はぁっ………ったく、いつまで付いてくんだよ！」



拝啓、ハチヘ。







俺は今、全身包帯の不審者に追われています。

助けて下さい。

黒ずくめの不審者　(１)→←(５)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す