薬屋は傾国美女でした。六巻 (ページ31)

今日:73 hit、昨日:185 hit、合計:361,889 hit

281話ページ31

親父に聞けば、自分の半分の時間で答えが帰ってくると思うA。

　自分を否定的に言うが、これは事実だ。

　前向きではないと言われそうだが、自分の能力を過信しないのがA。

安氏(アンシ)「それでもいいわ。」

　皇太后は目を伏せた。

　柔らかく優しそうな目が、一瞬、虚ろに見えた。

安氏(アンシ)「分かる範囲でいいの。調べてもらいたいの。」

　皇太后は後ろの侍女に目配せし、ゆっくりと頷(うなず)くとAを見る。

安氏(アンシ)「私は、先の帝に呪いをかけたのかしら」

A「、、(呪い、、？)」

　とんでもない事をいった皇太后。

　Aは何を言っているのかよく分からなかった。

安氏(アンシ)「、、この話はまた後で。」

　それだけ言い残し、侍女を連れて帰ってしまった皇太后。

　正直、先帝の事でいい噂を聞いたことがない。

　愚帝(ぐてい)、昏君(ばかとの)、女帝の傀儡(かいらい)など。

　後宮で一番有名なのは幼女趣味(ロリコン)。

　皇太后と帝の歳が十は離れているか否かなど考えてみても、言い逃れ出来ないだろう。

　確かに幼い妻を娶(めと)ることはある。

　ただし、借金の肩代わりや政略結婚のためだ。

　後宮という妙齢の女性がたくさんいる中で、一部の幼い娘ばかり手を出していた。

　先帝に関しての見解は、それ以上も以下もない。

　Aは正直、皇太后が先帝に呪いをかけても仕方がないと思っている。

　皇太后の腹には、現帝を産んだ際に作られた傷痕(あと)がある。

　まだ身体が出来上がっていないうちの出産だった為、産道が小さく切るしかなかった。

　そしてその出産を手伝う為に、宦官にされてしまったのが不幸な我がおやじ。

　その犠牲あって、現帝はすくすく育ち、皇太后は傷痕は残っているが、もう一人産むことができた。

　それが皇弟。

　本当に皇弟は先帝の子か、疑問である。

　皇弟はAと猫猫(マオマオ)の一つ上。

　計算する限り、その当時の皇太后の年齢は三十路(みそじ)前。

　幼女趣味の先帝が本当に致すか、、。

　そんなことを考えたら怖くなってきたので、忘れることにした。