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澄んだ青空
白い雲一つ無いような快晴
加えて心地良い風が吹く日
「天気いいねぇ、A！」
「そうだねぇ」
出掛けるとなるとすごく機嫌がいいというか
何だか吹っ切れた、というような笑顔を見せる
まだ少し隈が残っているが、この日でストレス発散できたらいいな、と
彼の見たい映画が始まる一時間前には映画館付近に到着していた
そこからはどうせなら、とテナントをぶらぶらと拝見して行こうということになった
ふと、とあるテナントの前でフジくんの足が止まる
「フジくん…？」
どうしたんだろう
彼の目線を追うと、少し先に楽器店が見える
音楽の微かな音が聞こえるような気がする
「見に行こうか」
「え、でも」
「寧ろ行かないの？」
「…」
私が楽しくない、なんて思って居るのだろうか
服とかアクセサリーとか靴とか鞄とか
彼は今日、私に気を使っているような店ばかりに入りたがっていた
私はいいと言っても無理矢理引っ張って行く
ならば今度は私の番
「ほら行こ」
「ちょ、待って待ってA…！」
「フジくんの悪い癖、私には遠慮無し」
そうムッとしつつ彼の腕を引く
頑なに動こうとしなかったが、私が表情を変えて見せれば諦めたように歩き出す
「面白くないかもよ…？」
「私だって楽器とか音楽とか好きよ」
「え、そうなの…？」
どこまで感受性無いやつと思われているのだろう
私だって、華麗な音色に輝く楽器には惹かれる
「それに、私フジくんのベースの音が一番好き」
「…っ！」
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作者名：じーにゃ | 作成日時：2018年4月15日 22時
