46話:合宿2日目 ページ47
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あっというまに、夕方になった。
菜沙那が吹くホイッスルの音が、今日の練習終了を示す。
『お疲れ様です！
この後は食堂に集まって夕ご飯です〜』
そう言いながら、タオルとドリンクを渡していく私達。
菜「流星！あなたボトルどこにやったの？
流星のだけ返されてないから、作れてないわよ」
流「ん〜？えっと……あ、佐々木さんや」
菜「え？」
『あっ、菜沙那！私が持ってる！』
菜「……え？」
そう言って、藤井くんからもらったボトルを2人の元へ持ってくる。
もちろん、きちんとドリンクも入れてある。
.
『藤井くん、お疲れ様。
これ、さっきはごめんな、ありがとうっ』
流「ん、全然ええよ。
熱中症にはならへんかった？」
『おかげさまで！』
流「そっか、良かった」
『うん！ありがとう
この後は食堂に来てな！』
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藤井くんは軽く頷いて、旅館へ入っていった。
1日を通して、こんなにも藤井くんと話せるなんて夢みたい……
その時、後ろから小さく声が聞こえた。
.
菜「、A………、？」
『…っ！？
……あっ、ごめんな！何も言うてなくて』
菜「…ううん、全然大丈夫！
でも探すの大変だったから、次はちゃんと言ってね？」
『うん！ほんまにごめん！』
菜「ふふ、罰としてコーヒー牛乳奢ってもらいます」
『りょ、了解ですっ！』
.
今はこうして笑っているけれど、振り返った時の菜沙那の顔は、すごく険しかった。
その表情が、何を表していたのか、この時の私は何も分からなかった。
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作者名：りんな | 作成日時：2017年4月24日 18時
