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4ー10 ページ43





「ただいま」


『…兄さんおかえり』



夜10時過ぎ。

兄さんが、疲れた様子で帰ってきた。

リビングに入ってきたことを確認して、ソファに座ったまま話しかける。



今日、思ったことを。




『…なぁ、兄さん。』


「んぁ?」


『…やっぱり、私もポートマフィアに入るよ』


「…何でだ?」



兄さんは、外套を脱ぐ手を止めて私を見つめた。



『っ…やっぱり、兄さんばかりが汚れてくのは、可笑しいと思う。

兄さんばっかり汚れて、辛い思いして、頑張って、罪を重ねて…私だって、兄さんの役に立ちたい、守りたいっ…

負担を、軽くしたい…!!』



今日思った本音を告げると、兄さんは静かに口を開いた。



「…A、ありがとうな。でもダメだ。手前は(こっち)に居てくれ」


『なんで…っ私だって戦えんだよ!!兄さんが教えてくれた体術と、この異能を使いこなしてみせる!!

そりゃ、よく狙われるけどっ…でも私は!!』


「あのな、A。手前は俺の後ろで笑ってくれりゃそれだけでいいんだ。

Aが笑ってられるなら、俺はどんなことだってやれる。例え、それが殺人だろうとも、己の哀しみを汚そうとな。

…でも、マフィア(こっち)に来りゃ、手前は笑わなくなる。ぜってぇな。」


『っけど……わっ』



兄さんは、いつも被ってるお気に入りの帽子を私に被せた。



「…あのな、Aを守るって言うのは、俺のプライドなんだよ。

守って、Aが幸せに暮らしてくれるならもう十分なんだ。…だから、マフィア(こっち)に来んな。

Aは普段通り、家で飯作って俺を待っててくれ。

そしたら俺は、手前の待つ家に帰っから。」


兄さんは笑った。

綺麗な笑みを浮かべて。



そこまで言われてしまえば、もう何も言えないではないか。


『…わかった、待ってるよ。今のまま、ただの高校生のままで。

だから、帰ってこいよな。』


私も、負けじと笑みを浮かべる。


「おう。…さ、飯食おうぜ。」


『あぁ、準備してくる』


ソファから立ち、兄さんに帽子を返す。

そして、キッチンで夕飯を温め直した。



…そういや、ひとつ気になったことがあったな。

自分は、結構なブラコンだと自覚してたが…



《『ぅあ、やだ、やだ、やめ…!兄さっ…安室さぁぁああああっ! !』》



なんで私、あん時安室さんに助け求めたんだ…?


まぁいいか。と、飯の準備を急いだ。

5ー1『ナオミちゃん』→←4ー9



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佐倉優衣(プロフ) - ゆいさん» あ、本当ですね!申し訳ありません!ご指摘ありがとうございます! (2018年6月3日 15時) (レス) id: c735a0a519 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 助っ席ではなく、助手席では? (2018年6月3日 14時) (レス) id: a6574a601a (このIDを非表示/違反報告)
佐倉優衣(プロフ) - ユキナさん» 続きを考えて頂けるほど、深く考えて頂きありがとうございます!そうですね、入れたいとは思ってます( *´ ∀ `) (2018年5月28日 23時) (レス) id: c735a0a519 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - 次の話辺り、戦闘が開始されますね…太宰VS中也…安室さんも恋沙汰には入るかもなぁ♪ (2018年5月28日 23時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉優衣(プロフ) - アオさん» ありがとうございます!!頑張ります!(ノ´∀`*) (2018年5月28日 17時) (レス) id: c735a0a519 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐倉優衣 | 作成日時:2018年5月24日 15時

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