4ー7 ページ40
・
「!?Aさん、大丈夫ですか!?痛みますか!?」
『え?』
慌てふためく安室さんによって、自分が泣いていることを自覚する。
駆け寄ってきてくれた安室さんが、優しく私の涙を拭う。
「怖かったかい?」
『ん、大丈夫…なんでもない』
自分でもゴシゴシと涙を拭うと、安室さんが背中と膝裏に手を入れて抱き上げた。
「とにかく、Aさんは病院に行きましょう。」
「そうだな」
すると太宰さんがポンッと手を叩き、本当に、本当に余計な提案をした。
「そうだ!与謝野先生に診てもらえばいいじゃないか!」
『っは!?』
「あ?誰だそいつ」
知ってるか。という質問の視線を兄さんから貰い、小声で伝える。
『ショートカットの女医さん。兄さんと戦ったことあるって聞いた。』
「あー…あいつか。」
「有名な方なんですか?」
「そりゃあもう!とても優秀な医者さ。」
「それは素晴らしい!Aさん、ぜひその方にお願いしましょう。」
『い、いやです!』
安室さんの言葉に、ぶんぶんと首を全力で降った。
晶子さんは大好きだし尊敬してる。
けれど治療となれば話は別…!!
「でも傷が…」
『チョーカーで隠します!!』
「良くないですよ。治してもらえるなら治してもらわないと。」
『嫌だ!に、兄さっ…!!』
涙目になり、兄さんに助けを求める。
「Aが取り乱すのは珍しいな、そんなにか?」
首が取れそうなほど、全力で肯定してみせる。
兄さんは、ため息をついて
「…首領とどっちがいいんだよ」
『どっちも嫌だ!!』
安室さんにしがみつき、全力で拒否していると、今だけは聞きたくなかった声が聞こえた。
「なんだいA、怪我してるんだって?」
『あ、きこ…さ…!?』
「Aさん、大丈夫ですの!?」
『ナオミちゃ…!?』
なんでここに、と思った瞬間、1人だけ会話に入らず大人しいやつがいた事に気づいた。
「あー…来てしまったのなら仕方ない!A!腹をくくりたまえ!」
『青鯖手前ぇぇええッッ!!晶子さん呼んだなぁ!?』
「ほらほら、遠慮するんじゃないよ」
『いやだぁぁああ!』
晶子さんに、別室に連れ込まれてしまった。
『ぅあ、やだ、やだ、やめ…!兄さっ…安室さぁぁああああっ! !』
620人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
佐倉優衣(プロフ) - ゆいさん» あ、本当ですね!申し訳ありません!ご指摘ありがとうございます! (2018年6月3日 15時) (レス) id: c735a0a519 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 助っ席ではなく、助手席では? (2018年6月3日 14時) (レス) id: a6574a601a (このIDを非表示/違反報告)
佐倉優衣(プロフ) - ユキナさん» 続きを考えて頂けるほど、深く考えて頂きありがとうございます!そうですね、入れたいとは思ってます( *´ ∀ `) (2018年5月28日 23時) (レス) id: c735a0a519 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - 次の話辺り、戦闘が開始されますね…太宰VS中也…安室さんも恋沙汰には入るかもなぁ♪ (2018年5月28日 23時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉優衣(プロフ) - アオさん» ありがとうございます!!頑張ります!(ノ´∀`*) (2018年5月28日 17時) (レス) id: c735a0a519 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:佐倉優衣 | 作成日時:2018年5月24日 15時