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「あなたは…?」
「あぁ、私は太宰治。Aの恋人さ」
「死ね」
『死ね』
私と兄さんの言葉が、重なる。
「え!?Aの恋人って安室さんじゃないの!?」
『別に安室さんとも何もねぇし、太宰さんとも何もねぇよ。』
「手前みてぇな放浪者と、あんな男にAを渡すわけねぇだろ」
「僕が、なんですか?」
声が聞こえたので振り返ると、片手に色々な料理を持ってきた安室さんが戻ってきた。
「もう、Aさん。さっきの場所にいてください」
『あ…ごめんなさい』
「心配したんですからね。…はい、あーん」
フォークで刺したお肉を差し出され、あーん、と口を開ける。
柔らかくて上品な味が、口いっぱいに広がった。
『ん、おいしい…』
「ですよね!」
「な、なぁあ!?」
私たちを指さして、口をぱくぱくと鯉のようにする兄さん。
何してるんだ?と、首を傾げる。
兄さんの後ろでは、きゃーっ!とはしゃぐ蘭と園子。
その横で、コナンくんは苦笑を浮かべている。
「A!そんなモン食うな!!」
『なんで?うめぇよ?』
「毒があるかも知れねぇだろ!」
「ペッしろ!」と怒る兄さん。
突っ込みたいところは色々あるが、とりあえず…
『…作ってくれた人に失礼だろ』
「そうじゃねぇ…!!」
兄さんは、額に手を当てる。
「さっきから思ってたけど…」
「Aのお兄さんって、シスコン…?」
そう呟く2人に向かって、静かに頷いた。
「中也ぁ、シスコンは良くないよ?Aももう立派な高校生だし…初恋もまだだろうし…というわけで、妹さんを私にください♪」
「手前にゃ死んでもやるかァ!安室ォ!手前もだ!!」
「えぇ、僕もですか。」
苦笑を浮かべ、頬をかく安室さん。
また兄さんは…と、ため息をついていると、ふと向こうに美味しそうなケーキか並んでいた。
ちょっと見るだけ…と、誘惑に勝てず、ケーキの元へ向かう。
「こんにちは。貴方も、これを?」
『え?あ…はい。』
「よければ、お取りしますよ。」
優しい笑みを浮かべ、その男は話しかけてきた。
スッとガトーショコラを取り、取り皿に置いてくれる。
『あ、ありがとうございます…』
なんだ、この人。
気味が悪い、気持ち悪い。
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佐倉優衣(プロフ) - ゆいさん» あ、本当ですね!申し訳ありません!ご指摘ありがとうございます! (2018年6月3日 15時) (レス) id: c735a0a519 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 助っ席ではなく、助手席では? (2018年6月3日 14時) (レス) id: a6574a601a (このIDを非表示/違反報告)
佐倉優衣(プロフ) - ユキナさん» 続きを考えて頂けるほど、深く考えて頂きありがとうございます!そうですね、入れたいとは思ってます( *´ ∀ `) (2018年5月28日 23時) (レス) id: c735a0a519 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - 次の話辺り、戦闘が開始されますね…太宰VS中也…安室さんも恋沙汰には入るかもなぁ♪ (2018年5月28日 23時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉優衣(プロフ) - アオさん» ありがとうございます!!頑張ります!(ノ´∀`*) (2018年5月28日 17時) (レス) id: c735a0a519 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐倉優衣 | 作成日時:2018年5月24日 15時