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『はふっ…ん、んま…』
「Aさん、マヨネーズ付いてますよ」
親指で私の頬に付いたたこ焼きのマヨネーズを救い取り、クスクス笑う。
何だか少し恥ずかしくなって、そっぽを向く。
その隙を狙われたのか。
また、頬に柔らかいソレが当たった。
『…またですか?』
「またです」
そう言って安室さんが微笑んだ瞬間。
強い殺気が、私達に突き刺さった。
『っ!』
安室さんも感じ取ったのか、キョロキョロと当たりを見回す。
「…Aさん、またストーカーの類いの可能性があります。僕から離れないで下さい」
『…はい。』
こちらに手を差し出したので、その手をとると安室さんはまた歩き出した。
今度は輪投げをやろうということで、輪投げ屋の前までやってきた…はいいものの。
「おや、こんにちは。宅配業者の方もこういう所にいらっしゃるんですね。」
「えぇ、まぁ。あなたもこういう祭りに来るんですね。」
『…なんでこうなった。』
輪投げの所には、少年探偵団の面々と、沖矢昴という男性がいた。
それはいいが、何故か安室さんが彼を敵対していて、火花が散っている。
『(この人太宰さんたちとも敵対してたよな…)』
はぁ。とため息をこぼしていると、くいくいっと浴衣の裾を引っ張られた。
引っ張ったのは歩美ちゃんと哀ちゃんで、キラキラとした視線をこちらに向けている。
「Aお姉さん、もしかしてデート!?」
『え?いや…』
「あら、もうそんな関係になったのね?」
デート…確か、仲のいい男女で行くものだと、昔織田さんに教えて貰った。
ならばそうなのか。いや、そこまで安室さんと仲良いとは思ってないが…
なんて、ぐるぐると頭を回し、なんと返そうかと考えていると、不意に肩を抱かれた。
「そうだよ。僕とAさんでデートしてるんだ」
『安室さん…これデートなんですか?』
「そうですけど…もしかして分かってませんでした?」
『はい、全く。』
「はは…」と、安室さんは肩を落とす。
にしても…
じぃ…と、沖矢昴さんを見つめる。
「?何か?」
『…いえ、少し恩人に似ている気がして、もしかして…と思ったのですが。気の所為みたいです。すいません。』
ぺこり、と頭を下げた。
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佐倉優衣(プロフ) - ゆいさん» あ、本当ですね!申し訳ありません!ご指摘ありがとうございます! (2018年6月3日 15時) (レス) id: c735a0a519 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 助っ席ではなく、助手席では? (2018年6月3日 14時) (レス) id: a6574a601a (このIDを非表示/違反報告)
佐倉優衣(プロフ) - ユキナさん» 続きを考えて頂けるほど、深く考えて頂きありがとうございます!そうですね、入れたいとは思ってます( *´ ∀ `) (2018年5月28日 23時) (レス) id: c735a0a519 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - 次の話辺り、戦闘が開始されますね…太宰VS中也…安室さんも恋沙汰には入るかもなぁ♪ (2018年5月28日 23時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉優衣(プロフ) - アオさん» ありがとうございます!!頑張ります!(ノ´∀`*) (2018年5月28日 17時) (レス) id: c735a0a519 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐倉優衣 | 作成日時:2018年5月24日 15時