検索窓
今日:1 hit、昨日:8 hit、合計:351,070 hit

2ー11 ページ25






「…っはぁ…そんなこと、軽々しく言ってはダメですよ」


『?そうなんですか』


「そうなんです」



安室さんは、ひとつため息をついた。


「…確かに僕には、貴方に言えない秘密が沢山あって、隠し事も多いです。

けど、Aさんには…いつか全てをお話したい。その時は…聞いてくれますか?」


『!…自分で良ければ、いくらでも』


そう言って笑えば、安室さんもふわりと優しい笑を浮かべた。


「Aさん」


『?なんです…っ!?』


むに。と、静かに柔らかい何かが頬に触れた。

それが何かを理解するのに、時間はかからなかった。


『…ダメなんじゃなかったんですか?』


「僕はいいんです」


『?…よくわからないです』


イタズラに微笑む安室さんに対し、む。と眉を潜める。


まぁいいか。と、気にすることをやめ、車を降りた。

にこにこと手を振る安室さんに、頭を下げると、安室さんは帰っていった。



『…ふぅ』


「よぉ。遅せェ帰りだったな」


『うわっ!?』


油断して一息ついた時、後ろから声がかけられ、ふわっと白い煙…恐らくタバコの煙が顔にかけられた。

否、後ろからというよりは



『ケホッ…異能使って天井にぶら下がるのやめろよ…兄さん。』



天井から、だが。




「…あいつといい雰囲気だったな」


『安室さんと…いい雰囲気ってなんだ?』


「あー…手前はまだ知らねェでいいんだよ」


『あ?意味わかんねぇ』



「よっ」と軽い声と共に、兄さんは異能を解除して横に並んだ。

ごしごしと、いつもの黒い手袋をつけたまま私の頬を擦ってくる。


『ん、兄さん痛ェ』


「あ?こんくらいやんねェと落ちねェだろ」


『んな安室さんを菌みてぇな…』


「あんなもんバイ菌だバイ菌。」


『バイ菌って…』



「ほら、いいから家入んぞ」と、兄さんは手を差し伸べる。

私は、差し伸べられた手を見て口角が上がるのを堪えつつ、兄の手を取り歩いた。

3ー1『お祭りデート』→←2ー10



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (211 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
620人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

佐倉優衣(プロフ) - ゆいさん» あ、本当ですね!申し訳ありません!ご指摘ありがとうございます! (2018年6月3日 15時) (レス) id: c735a0a519 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - 助っ席ではなく、助手席では? (2018年6月3日 14時) (レス) id: a6574a601a (このIDを非表示/違反報告)
佐倉優衣(プロフ) - ユキナさん» 続きを考えて頂けるほど、深く考えて頂きありがとうございます!そうですね、入れたいとは思ってます( *´ ∀ `) (2018年5月28日 23時) (レス) id: c735a0a519 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - 次の話辺り、戦闘が開始されますね…太宰VS中也…安室さんも恋沙汰には入るかもなぁ♪ (2018年5月28日 23時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
佐倉優衣(プロフ) - アオさん» ありがとうございます!!頑張ります!(ノ´∀`*) (2018年5月28日 17時) (レス) id: c735a0a519 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:佐倉優衣 | 作成日時:2018年5月24日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。