志摩一未の妹のおはなし (ページ8)

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麦「お菓子ひとつだけだよ？」

ゆ「え〜。じゃあAもひとつね？」

『私も？ゆたかより年上だから2つにしようかな〜』

ゆ「だめ〜」

『じゃあ1つずつ買って分ける？』

ゆ「うん！」

コンビニへ向かう私たち。

そう、今日は学校の後に桔梗さんの家に行った。
ゆたかが私が来るとすぐにコンビニへ行こうと誘ってくれたから来た。

桔梗さんとの付き合いは長いと思っている。

お兄ちゃんが桔梗さんにお世話になり始めた時期と同じくらい。
ハムちゃんの事件のことはなんとなくだけど知っている。

「ほら！帰った！帰った！！」

麦「すみません！」

コンビニの前に着くと急に店員さんに怒られた。

どうやら私たちではなく、コンビニの前にいる高校生に怒ったらしい。

ゆたかも驚いて泣き始めてしまった。

けど、、、

『成川くん？』

岳「志摩さん、、？」

麦「Aちゃん、お知り合い？」

『うん。先中入ってて。すぐ行く。』

久しぶりに見る顔。動いている成川くん。試合の時に何度か一緒に撮った写真しか最近見ていなかったから少し感動。

岳「久しぶり。元気だった？」

『久しぶり。うん。元気。成川くんは？』

岳「ん〜どうだろ。俺たち、部活無くなっちゃってさ。」

『そっか。じゃあね。また会おう。』

耐えられなかった。逃げるようにハムちゃんのところに来てしまった。

麦「お話しできた？」

『うん、ばっちり。ゆたか、どれにするの？』

ゆ「ん〜これ！Aは？」

『私はこれかな。行こっか。....え？』

レジに向かおうとすると、目の前に成川くんが現れ、私たちが持っている商品をお会計してくれた。

お詫びらしい。

『ありがとう。』

岳「いいえ。じゃあ、また。LIMEする。」

『うん。』

また。かぁ。

私もまた会おうなんて言ってしまったけど、陸上部の試合という繋がりがなくなってしまった今、会うことなんてあるのだろうか。

麦「Aちゃん、あの子のこと好きでしょ？」

『え？！好き？！違う違う！！友達！たまに会う友達！』

麦「え〜〜そうかなぁ〜」