隣の席の子が勘違いでめっちゃ追い回してくる【夜久衛輔】 (ページ25)

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体育祭ページ25

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体育祭当日の朝。

体育委員がクラスのみんなにハチマキを配る。

開会式のために各団ごとに整列し、開始の合図を待つ。

開会式も終わり、初めの種目に出る人が移動している。

最初のプログラムは徒競走で次にムカデ競走、学年ごとの種目が終わった。

そして迎えた自分の選択種目。

綱引きは配点が大きく、応援にも力が入っている。

小綱が並べられ、位置に着く。

次々と太鼓が鳴らされ、立っていく。

あと2人で私の番という時、相手の団の私と同じ時に立つ人を見ると、女子の中では力のある方の子で、内心めちゃめちゃびびっていた。

ふと列の最後の方を見ると、口パクで応援してくれる姿があった。

「がんばれよ」

その言葉に元気が出た単純な私は自分の番、1回だけの太鼓の音で笛が鳴らされ1対1の構図になった時に全力で小綱まで走りさっと引き持ち帰る。

追いかけられているのに気づきスピードを上げてラインを越える。

1人で勝ち取った小綱を持ったまま地面にへたり込むと、周りの女子からの賞賛を浴びる。

やっくんのおかげだよ。

やっくんの方を見れば、自分が取ったように嬉しそうな顔でこちらを見ていて、ピースをすると返してくれた。

そんな彼も、体格ではなく素早さで勝負し、難なく小綱を持ち帰っていた。