2、あの方のお気に入りになれば、 ページ3
ドサッと生臭い匂いが辺りを充満する。
「大丈夫だった?君、」
そう男は声を掛けてきた。
『っ、はい、ありがとうございます。』
「君、家族がいるんだよね?家族はどうしたのかな?」
『っ、』
私は泣きそうになり、しゃがみ込んでしまった。
『は、母を、あ、あの男と同じ服を着た人たちに、こ、殺され、ました。父は、わ、分かりません。』
ゆっくりと今の状況を男に私は話し出した。
すると、男は
「鬼殺隊に家族を殺されたのか……可哀想にね。」
きさつたい?
『な、何ですか?そ、それは、』
「聞いたことないかな?鬼を殺す昔からある組織、鬼狩りってやつ、」
『き、聞いたことありません。』
「そっか。」
私の母は、"きさつたい"というものに殺されたの?
鬼を狩る?私の母は鬼だけど、人の血肉なんて喰らったことないのに、
『そ、そんなッ、』
私の頭の中は真っ白になった。
.
私の母は、何もしてないのに、
.
.
「君、面白いねぇ、もしかしたら"あの方"に気に入って貰えるかも。」
あの、方?
「俺はねぇ、実は鬼なんだけど、ある方に鬼にして貰ったんだ〜!」
『お、鬼?』
「君の母親もあの方に鬼にして貰ったんだろうね〜、」
私のお母さんを鬼にした"あの方''?
「君は憎いだろ?鬼殺隊が。」
ドクン、と心臓が波を打つ。
.
.
憎い、
.
私の母を殺したあの鬼殺隊が、
.
『……ッ、憎い、憎い!!』
「ふふ、君はきっと気に入られるよ。」
.
この時の私は17歳だった。
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キナコ(プロフ) - 藍梨さん» はい!これからは気長に更新をしていこうと思います! (2022年4月3日 14時) (レス) id: ea8df4566c (このIDを非表示/違反報告)
藍梨(プロフ) - すっごく面白いです!この作品に引き込まれるように読んでしまいました!続き頑張ってください、応援しています! (2021年9月20日 10時) (レス) id: 42bd1ecc91 (このIDを非表示/違反報告)
苺谷らむ(プロフ) - キナコさん» 体調にも気をつけてくださいねッ (2020年12月13日 20時) (レス) id: 4db45bcbc3 (このIDを非表示/違反報告)
キナコ(プロフ) - 苺谷らむさん» はい!ゆっくり自分のペースでやっていこうと思います! (2020年12月11日 22時) (レス) id: ea8df4566c (このIDを非表示/違反報告)
苺谷らむ(プロフ) - ここここっ更新停止だとぉぉぉぉぉ復活、待ってますっする← (2020年12月2日 15時) (レス) id: 4db45bcbc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キナコ | 作成日時:2020年3月2日 22時