どうかこの幸せだけは。【鬼滅の刃】

弐拾陸 ページ26

全部分かるはずないよね。




だって宇髄は私じゃないから。



『宇髄の言うことは聞かない。私たちは私たちで動く。』




宇髄「お前っ…勝手なことすんな！！！」





私の手を掴む宇髄。



それを振り払って。





『宇髄は本当何も分からないよね。』


今の幸せを壊してしまいそうで泣きたくなる。


今の幸せを失うのが怖くて自分を偽ってしまう。




そんな自分がまた嫌になる。

馬鹿みたいなことを繰り返す。





師範を失ってから偽り続けた






でも、善逸が生きてる。


善逸と一緒にいられる。





善逸といられると、自然と笑顔になれた。



それなのに、善逸を失うなんて嫌だ。








善逸が居なくなるのなら。




私の存在価値など無くなるから。




『鬼なんてどうでもいい。善逸さえ…生きていてくれればっ…！！！』






宇髄「お前はそんなことを言っていい立場じゃないだろ！！！
お前は柱だ！分かるだろ！？一般人も守るんだよ！」




『五月蝿い』



宇髄「お前は柱ってことをちゃんと自覚しろ！
善逸は鬼殺隊だ。お前が守るべき優先順位は一般人だ。」



『五月蝿い！』





宇髄「いいか？お前が守るのは一般人だ。一般市民を守るんだよ！」


『知らないよ！！！一般人の命なんて！！！！！どうでもいんだよ！』





『ぁ…！』



違う。そう言うことを言うつもりじゃ…。



宇髄「…お前は帰れ。お前は必要ない。」



『っ…もういい。私は一人で善逸を探す。』



私は、善逸が一番なの。




一般市民を守れなくても。


善逸を守ることが出来るならそれでいい。




それで柱を降ろされたとしても




善逸を守れたらそれでいいの。



たとえ自分が死んだとしても





善逸が幸せなら、それが私の幸せだから。




暖かそうな私の心は、今も昔も冷えている。







明るそうにみえるでしょ？

何も考えてないように見えるでしょ？

呑気そうに見えるでしょ？





違うんだよ




ちゃんと色々頑張ってるんだよ？

それでも何も出来なくて、色んな感情があって。

辛くなるから。明るいふりしてるだけだから。







誰かに気付いて欲しかった。






私は、宇髄たちと別行動することにした。



自分勝手だとは理解してる



私が柱に向いてないことも分かってるよ。

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