探しています【鬼滅の刃】

肆拾参の型 ページ43

伊黒目線


ずっと探していた。


自分のした過ちについて謝罪したかった。




「A！！！！」


やっと見つけた。


久しぶりに会ったAは、






一筋の涙を流した。




『話しかけないでよ…。』


拒絶された。


「俺は‼お前に謝りたいと思っている‼また、最初から！」


『…最初から…？』





『戻れるわけないでしょ！！！！！痛かった‼貴方の言葉が‼
心に突き刺さるの！！！！！』



『あたし達に近づかないでよ！どうしてそんなに私を傷つけるの！』




言葉が出なかった。







＿刀で刺しただと？人としてどうなんだ。＿








＿お前は早く柱をやめろ。愛美に謝れ。＿








＿まだ死んでなかったのか。＿









＿人の家族を奪うのか。最低な人間だな。＿









＿人殺し＿



これは、俺がAに言ったこと…。

だが、まるで自分が言ったことではないようだ。


いつもそうだったんだ。

そんなこと。言うつもりは無かったのに。


何故か勝手に口が動いていた。

体が、動いていた。

自分が自分ではなくなっていた。




『もう。戻れないんだよ？』



さっきAが流した涙が地面に落ちる。





新たな涙が流れた。


『遅いんだよ。何もかも。もっと早く気づいて欲しかった。』





『大切な人を奪われる気持ち…分かる？』



『あたしはただ…昔みたいに皆で笑いあいたかっただけなのに。』




「なら…！もう一度‼」

『無理だよ。』



冷たく言われた。



『私や僕がいやがってるから。』




『貴方は信用出来ない。』








信用出来ない。



いつも俺が言っている言葉…。


こんなにも…辛い言葉なのか…？

肆拾肆の型→←肆拾弐の型

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す