6 ページ8
身体を自由に動かせるようになってから、また日数が多く過ぎた。言い訳をすると、身体を動かした後は筋肉痛になって全然動けなくなるし、睡眠時間が異常に増えるのだ。そのせいで人が来るタイミングと合わず、動けることを伝えられないままだ。
(ナースコールみたいなのもないっぽいし⋯⋯)
それに此処には全くと言っていいほど人が来ない。記憶だと此処に来るのはサンズと博士ぐらいだ。
しかしサンズと博士は毎日来る訳じゃない。むしろ来る方が珍しい。あの二人が揃って来たのは俺の記憶の中では二回だけ。
博士は滅多に此処に来ない。逆にサンズは博士と比べるとそこそこの頻度で来る。
サンズは来ても特に何かをしてくる訳でもなく、座ってぼーっとしていたり、こちらをじっと見てきたりと、暇人か? って行動が目立つ。ときどき一言二言話しかけてくることもあるが、大抵挨拶や時刻報告で、ときどき愚痴。
俺は返事はできないから聞いていることしか出来なかったが、その方が吐き出しやすいとかがあったのかもしれない。
(でも最近ずっと来ないんだよなアイツ)
別に頻繁に来ている訳でもなかったけど。
しかし困った、アイツが来てくれなきゃ俺はこの無駄に広い部屋で一生を過ごすことになる。それは嫌だな。せっかく転生というミラクルが起きたのだから、どうせならなろう系主人公までには行かなくとも新しい生を謳歌したい。
(⋯⋯ん? いや別に部屋から出ちゃダメってことはないのか)
もう夢遊病ってことにしてこの施設探索したいなあ。流石にこの部屋もう飽きたし。
(思い立ったが吉日! 早速脱走を)
ガラガラ
「久しぶりだな、ちょっと立て込んでてこっちに来る暇がなかった⋯⋯んだ⋯⋯」
(⋯⋯!?)
「⋯⋯は?」
脱走しようと窓に足をかけたところ、最悪なタイミングでサンズがやってきた。
⋯⋯お前流石に間が悪すぎねぇ?
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:名無し40992号 | 作成日時:2024年2月27日 20時