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ダッ!



「あ」



 キャラちゃん? くん? は弾かれたように走り出し、あっという間に部屋から出ていってしまった。



「いやまあ、寝たいから出てって欲しかったんだけどさあ⋯⋯」



 あんな怖がられて逃げ出されると、へこむよねぇ。

 地味にショックを受けながらも、息も絶え絶えになりながらベッドへ歩く。



「ハア⋯⋯ハア⋯⋯体力落ちすぎ⋯⋯」



 ちょっと歩いてちょっと座り込んでただけでマラソンしたのかってくらい息が上がっている。

 ベッドに登る元気も無く、床に足を付きながら顔を伏せた。



「ハア⋯⋯ハア⋯⋯死にそう⋯⋯心臓が痛い⋯⋯」



 俺今世心臓病とかだったら死ぬな、負荷かかり過ぎて。



「フーッ⋯⋯フーッ⋯⋯」



 とりあえず息を整えることに専念する。苦しい。これほんとにやばいんじゃ⋯⋯。



 ガラガラ



「邪魔するぜA、こっちにちびっこ来なかった、か⋯⋯」

「あ゙⋯⋯?」

「⋯⋯ッハ!? おい大丈夫か!?」

「ッフ、ハァ⋯⋯」
(救世主!! 大丈夫じゃないですヘルプミー!)

「ッ⋯⋯ちょっと待ってろ!!」



 サンズは急にシュッと消えたかと思うと、またシュッと現れた。お前瞬間移動できるのね!! すげぇ!!

 サンズの手を見ると、袋に管が繋がったもの? を持ってきた。



 ガチャッ



「!! っんぐ」

「いいか? 落ち着いてゆっくり呼吸しろ、大丈夫、怖くない怖くない⋯⋯」

「ッスー⋯⋯ハー⋯⋯」
(お兄ちゃん感がすごい。弟でもいるんかな)



 サンズはずっと背中を撫でていてくれて、心臓も少しずつ落ち着いていった。



「ッは〜生き返った〜!」

「調子よくなったみたいだな。最近は調子良さそうだったから油断してたぜ」

「俺も油断してたわ」



 サンズは呼吸器を枕元に置いて、幾つか小言を言ってくれた後、安静にしとけよってシュッとまた消えた。俺も瞬間移動やりたい。



(体力は深刻な問題だなぁ⋯⋯ここまでゴミだとどうすればいいのかわかんないんだけど)



 まあいいや、難しいことは明日の俺に託して寝よ。

 俺は思考を放棄して眠った。夢も見なかった。





 ちなみに目覚めると一週間後だった。いや寝すぎ。

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作者名:名無し40992号 | 作成日時:2024年2月27日 20時

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