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結局寝たことで一日が終わりました。ただいま全身筋肉痛です。多分百メートルも歩いてないのに。早急にリハビリしなきゃ今世の生活が終わる。
そうは思っても、指一本動かしたくいので明日から。
そう思って目を瞑ろうとした瞬間、
バアン!!!
「扉の方から出ちゃいけない音が」
凄い音を出して入ってきたのは、茶髪の子供だった。なんか既視感がある。
子供はズカズカ歩いて、部屋の隅っこに座り込んだ。何かブツブツ言っている。
「アズのわからずや⋯⋯なんでわかってくれないんだ⋯⋯」
「ねえ君、急に入ってきてどうしたのさ? ここ多分子供がほいほい遊びに来れる所じゃないよね?」
「こうなったらアズを⋯⋯私一人で⋯⋯」
「おーい聞いてる??」
子供は何か考え込んでいるようで、俯きながら独り言を呟いている。
困った、俺は雑音があると寝られないタイプなんだ。
その後何度も声をかけるが子供が気付く様子はない。俺の声は一切届いていないようだ。
「⋯⋯しゃーない」
痛む身体に鞭打って、起き上がる。転ばないようにゆっくりゆっくり子供に近付く。子供のすぐ隣に来たのに、子供はまだ気付かない。
子供の横に同じように座り込んでみる。まだ気付かない。
しばらくブツブツ何かを呟く子供を眺めていた。
眺めてから体感三十分くらい経った。尻が痛い。
子供はずっとブツブツ何かを呟いていた。早口過ぎるし聞く気もなかったから何言ってるのかは分からなかった。なんか魂やらバリアがどうのこうの言っていた気もするが、聞き取れたのはそんな幾つかの単語だけ。
「⋯⋯で⋯⋯ッ!!??」
「お、やっと気付いた」
ずっと見ててわかったが、既視感の正体はあれだ、アズリエルと同じロケット下げてて服着てるんだこの子。
「だ、誰だ! いつからそこに⋯⋯!」
「いつからって言うと最初から、名前はAって言うらしいよ?」
子供は怯えたようにこちらを見る。こちらとしては君みたいな小さい子供が自動ドアを手動で開ける力があったことに驚いてるんだけど。怯えたいのはこっちだ。
「君の名前は?」
「ッ⋯⋯」
「あれ聞こえてない? わっつゆーあーねーむ? わかる?」
「⋯⋯キャ、ラ」
「キャラね、ごめん失礼かもだけど性別どっち?」
子供⋯⋯キャラは質問に答える気はないようで、ずっとこちらを睨んでいる。
⋯⋯さて、どうしようかな?
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作者名:名無し40992号 | 作成日時:2024年2月27日 20時