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「コイツ─────。頭を───だったら、────？」
「───、────彼はおそらく─────の可能性が───。」
「⋯⋯？」
誰かの話し声で目が覚める。最初視界に入ってきた天井は、見知った俺の部屋の天井ではなかった。
その次に見えたのは、袋と、そこから伸びた管。管を目で辿ると、自分の腕と繋がっている。
(⋯⋯点滴？ なぜ。俺は寝ている間に事故に巻き込まれでもしたのか？)
近くに人がいるようで、会話がずっと途切れることなく流れる。声が聞こえる方に顔を動かそうとした。しかし、俺の身体は動いてはくれなかった。
ズキリ
その代わり、今まで生きてきた十数年の中でも感じたことのない、尋常じゃない痛みが全身を襲った。
思わず声が出そうになった。いや、出したはずだ。なのに、俺の喉は少しも音を出すことが出来なかった。
あまりの痛みに、口が大きく開き、まるで魚のようにハクハクと動く。それでも少しの音も出ないし、息遣いの音も聞こえなかった。
(え、俺、何？ 人間やめた？)
「外部の傷は全部塞がってんだろ？ なら内部の方に何か問題があるんじゃねぇのか」
「私もそう思って何回も調べて見たんだけど、特に何も無くて、至って正常なんだよねぇ。そりゃ確実にとは言えないけど、この子を掻っ捌く訳にもいかないし」
「最悪一生植物状態のままかもな。どうする、回復薬追加するか？」
「うーん、既に許容量ギリギリだからやめておこうか。中毒になられても困るし」
(回復、薬？ そんなゲームみたいな⋯⋯いやそんなことよりやばい)
この(おそらく)二人、俺が起きてることに気づく様子がない。
もし身体を自由に動かすことが出来たら、今すぐ頭を壁か床かに打ち付けてるくらいの痛みなのに。
「明日、一応もう一回検査をするから、それで何か分かれば良いんだけど」
「⋯⋯ホントに死んでる訳じゃないんだよな？」
「ちゃんと“ソウル”は動いてるし、身体も塵になっていないから生きてるよ⋯⋯おやすみ、A」
“ソウル”······魂？ いや、そんなことより。
Aって誰だよ。
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作者名：名無し40992号 | 作成日時：2024年2月27日 20時
