11話 ページ12
「というわけで、とりあえず私は筆記が心配で心配で仕方がありませんでしたとさ！ね、焦凍君。焦凍君の試験はどんなだった？」
学校にて。試験の合否は後日分かるそうなので、とりあえず焦凍君に試験でのことを話すことにした。
焦凍君は律儀な人だ。口数は少ないが相槌は必ず打ってくれるし、終始真顔だが何も言わずに聞いてくれる。
私と焦凍君が幼馴染ということに、合わないだろうとかそういうことを言われるのは何時ものことだが、私は別に気にしていない。
周りの価値観どうこうより、私が大事にしたいのは焦凍君がどう思っているかだから。
焦凍君に、「話し掛けない方が良いのか」と聞いたことがある。
すると逆に彼に聞かれた。「これからもう話し掛けないのか？」と。
それはもうしょんぼりとした顔だったから、何でもないと答えたが、私だって周りの目を気にしていたりはするのだ。
でも、もうそれを気にすることはなくなった。
焦凍君が良いというなら、私は話し掛ける。
何時だって私は他人優先なのだ、これでも。
他人が嫌がる事を、私はしたくない。
「……その怪我も、そいつを助ける時に？」
なんて考えていると、焦凍君に包帯でグルグルに巻かれた、利き腕では無い方の腕を指刺される。
入試の時、もじゃもじゃボーイを助けるが為に、何も考えず血を出した。
その時の傷が案外深かったらしい。こんな重装備になってしまった。
何処ぞの包帯無駄遣い装置を思い出すからやめていただきたい。
「うん、まあね。ほら、私の個性は『創る物に見合う同等の代価分、血を消費する』からさ。私の肩ぐらいまでの大剣創ってね、ロボットぶっ倒した」
私はさして気にしていない。こんなの前世じゃしょっちゅうやってたし、しょっちゅう怒られていた。
『自分の身体を大事にしろ』なんて言われてたけど、私は『他人を助ける為なら自分の命も惜しまない』人間だ。
偽善に満ち溢れているのかもしれないが、これが私の信念なのだから、仕方無い。
だから私は、心配そうに、悲しそうにしている焦凍君の事に敢えて気付かない振りをする。
「ねえ焦凍君。焦凍君の試験どんなのだった？というか、どんな個性の人いた？」
だから私は、包帯を巻かれた腕を君の視界から見えなくなるように反対の腕で隠す。
自分のことで、心配させたくないからさ。
私は笑顔を貼り付けて、話を続けた。
続く (更新停止中)
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はりねずみ - 面白いです！更新停止中と見て少し悲しくなりました…次の更新待ってます！ (2018年2月10日 18時) (
レス) id: 506548374d (このIDを非表示/違反報告)
パンの耳(プロフ) - 面白いですね。続きが気になります！更新頑張って下さい！ (2018年1月12日 17時) (レス) id: 706b9ecf12 (このIDを非表示/違反報告)
早苗月 - 87票は私が頂いた！続きが気になるわい！更新頑張ってください！ (2017年12月21日 14時) (レス) id: dddf3cdd15 (このIDを非表示/違反報告)
ユキナ - おもしろかったです♪更新頑張ってくださいねq(*･ω･*)pﾌｧｲﾄ! (2017年12月16日 23時) (レス) id: 0f45599fe0 (このIDを非表示/違反報告)
谷崎中也(プロフ) - 応援歌頑張ってください(^∇^) (2017年12月14日 19時) (レス) id: a777d25c22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無名の作者 x他2人 | 作成日時：2017年12月11日 22時
