89 冗談 ページ39
「もう必要ないから
君たちはこのままね。
んで、ど〜ん！！」
「ぎゃああああああ！ﾀﾋんだぁぁぁぁ！」
「キヨくんは戻ると思ったんだよねぇ笑」
爆弾を仕掛けそこから一定の距離にプレイヤーが入ると
こちらで起爆スイッチが押せるのだ。
「お〜煙が見えるわ〜。」
「うん、うっしーは背後に気を付けようっ…ね！」
そこら辺で拾った鉄パイプを武器に振りかざした。
「ゆるしてぇぇぇ！！」
「さて〜ガッチさんどぉ〜こ？」
「やぁっべ…笑」
「あ！いたいたっ！」
「ガッチさん逃げて！」
「俺らの分まで逃げてくれ！」
「あと2分で助け来るよ！」
最後の最後まで複数対1である。
丘で目の前を走るガッチさんがスッと消えた。
「あ、ガッチさん透過したねぇ…」
透明になっても地面を踏む音は聞こえるので
耳を澄ませればどこにいるのか
分かるようにはなっているのだ。
耳を澄ませても聞こえるのは
そもそものゲーム音である木々の音のみ。
「ふんふん…なるほどねぇ…」
ガッチさんが消えた辺りを通りすぎて
真っ直ぐ進んで丘を降りた。
数分後に私の画面にはwinの文字が浮かび上がった。
「ありゃ完全に読まれたな。」
「人間心理だもん。逆らえないよ笑」
丘を降りた後。
私はもう一度追いかけ始めた方の丘の麓で
ガッチさんを待ったのだ。
そして帰って来た所をグッと後ろから締め上げたのだ。
「完敗だわ〜笑」
録画が終わった後にすぐガッチさんと話した。
「あ、ガッチさん。」
「ん？」
「多分入ってないと思うけど
JKって人の声入ってたら対処しといた方がいいかも。」
「そういえば、そんな人いたね。」
「あの人名前に似合わず
冗談じゃないことばっか言ってるから。」
「JKって普通に名前じゃないの？！」
「スラングよ。JKは冗談って意味。」
「俺は会ってないから大丈夫だとは思うけど…
気をつけとくわ。」
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作者名：みこと | 作者ホームページ：http://なし)ー
作成日時：2022年1月20日 23時
