Whitelight Ⅱ【実/況/者】 (ページ26)

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76 キツネはページ26

「やっぱコハクってスゴいなぁ。
ゲーム部門受賞やって？」

「そうやね。俺この間アモアスでコラボしたで。」

「こっちでの受賞後すぐのコラボは
ことあるごとに話題にあげてたわ…笑」

どうも、towacoです。
湯豆腐の方で集まっていると
コハクの話題が上がってきました。

「そりゃあ努力してあそこまで上がってるのが
コハクやからな。受賞するやろうな。」

数年前の出来事をふっと思い出した。

最俺、湯豆腐、MSSPで超パの舞台に立ったときの事だ。

俺は仕事で皆との入りの時間が違ったのだが
会場入りする際に
前を見たときに見つけたのはコハクだった。

相も変わらず直視できないような
キラッキラのオーラを全身に纏っている。

今回で会うのは2回目。

1度目はこのイベントのリハーサルの日。

正直、苦手だ。眩しすぎる。

彼女を見ていると、
どれだけ自分がひねくれているのかよく分かる。

当時にしては大分珍しい陽キャのオタク。

実況自体は凛とした聞き取りやすくてスッと入ってくる声。

なのにアニメ、漫画、ゲームの知識がふんだんに入っていて、
それを語るので、オタクが溢れている。

公式生放送で本人の姿を見たときには
ふざけんな。とまで思った。

座っていて正確には分からないが
背は高くてスラッとしていそうで、
マスクで隠しているが顔はそこら辺のモデルより可愛い。
髪は垢抜けた茶髪にショートヘア。

丁寧なのに面白さも失われない口調。

綺麗なだけではない人間臭さ。

何もかも負けている。

彼女の所作はやけにキラキラとしている。
今こうやって振り返っただけでも。

え…？振り返った？

「あ、towacoさん、お疲れ様です。」

「コハクさん、お疲れ様です。」

彼女は少し前を歩いていたのだが、
一緒に歩くペースになった。

「皆さんもう入ってるので私が最後だと思ってました…笑」

「あ～それは僕もです…。」

「…お仕事だったんですか？」

自分の今の服装はスーツ。

「あ…そうです。コハクさんもですか？」

「お仕事…というよりお勉強ですね。
漫画のアシスタントやらせてもらってます。
今日は急に呼び出しが入っちゃって…笑」

彼女の今の服装はシンプルな私服。