How to cure【実/況/者】 (ページ9)

今日:2 hit、昨日:12 hit、合計:2,566 hit

twc_頭痛ページ9

恋人設定
――――――

外出先から家へ帰ってきた。
今は一人の頃とは違ってもう一人家にいるので
明るいはずの室内。
なのに玄関を開けると物理的に暗かった。

彼女は今日外に出る用事がないと言っていたので
家にいるはずだし、そもそも人の気配はするんだが…

そう思いながらリビングの電気をつけると

「そこおったんか。A。」

ソファーで横になっている彼女。

「…おかえり。」

「おん、ただいま。どした？」

「頭痛くて、薬飲んだんやけどね。多分片頭痛。」

「あ、じゃあ電気消しとくわ。」

かなり仲のいい友人が結構な頭痛持ちなのだが
その時の話で出てきたことを思い出した。

「ありがと。でも、寝室行くね。」

確かにそっちの方が休めはするが…

「歩いたりしたら痛み増すんやなかったっけ？」

その時の話で出てきたことpart2だ。
20数センチほど低い彼女を簡単に足元からすくい上げた。

「全部バレるなぁ…。」

「無茶はしない。」

「人のこと言えないでしょ。」

「似たもん同士とか類は友を呼ぶって言葉知ってます？」

普段ならもっと言い返してくるはずの彼女はここで止まった。

長くはないリビングから寝室のベットまでの道を歩いた。

「――。」

彼女と会う前は呼ばれないに等しかった俺の名前。

「どした？A。」

「このあと用事は…？」

「今日する事はさっき外出したので終わり。」

だからさ。

「だから俺ここにいようと思うんだけど。どう？」

沢山甘えてきてもらってもいいんですよ？

「…いいと思う。それならもうちょい近く来て？」

示されたのはベットの上。
座ると背中をぴったりくっつけてきた。

「完全に温めちゃダメだから。」

「俺、カイロなん？」

「ちょっとお喋りするカイロになってください。」

「なんやそれ…笑」

仰せのままに。と先ほどの外出先で起こった出来事を話した。

下を見ると寝ている横顔が見えた。
液晶を最大限まで暗くしたスマホで片頭痛について調べた。

かなり個人差が酷いものみたいなので
とにかく軽い方であってほしい。そう願った。

数時間ほどが経った頃、彼女の目が覚めた。

「あれからずっと…？」

「A起こしたくなかったし。」

「ありがと。一番の特効薬やったわ。」

「そりゃどうも。」

これからも俺が彼女の一番の特効薬であれるように。