ky,tp4_発熱_#04 ページ45
帰ってくるとリビングには
ガッチさんとうっしーの姿しかなかった。
「マコは？」
「おかえり、キヨ。マコなら自室だよ。」
「そ、分かった。」
「お前分かりやすいよな。これ、持ってけ。」
うっしーが差し出したトレーの上にあるのは
湯気が立つスープ。
「…珍しくね？」
毒は吐いてしまうのが一番手っ取り早い。
彼女は耐性をつける訓練をしていたこともあるので
本当に危ないときだけ、息をするように吐く。
その後は何もなかったかのようしているのだ。
最初の方なんて俺らは気づきもしなかったぐらいだ。
「結構吐いたみたいだから、今回は。」
「分かった。」
彼女の自室へと向かい
片手でトレーを持ってドアをノックした。
「マコ。」
「は〜い、どうぞ。キヨくん。」
ドアを開け、真っ先に見えたのは右腕の包帯。
俺にとっては
今日見てきたどんなご令嬢より彼女が気高く美しい。
「おかえり、キヨくん。ん〜美味しそうな匂い。」
「飲む？」
「もっちろ〜ん♪」
マグカップを手渡すと
傷を負っていない左手でしっかり持った。
フーフーと冷ましながらスープを飲む。
「少年は？」
半分ほど飲んだ所で彼女から切り込んできた。
「…施設に置いてきた。」
施設と言ってもクリーンな施設に置いてこれる訳なく、
この組織で動いている人たちは
絶対に卒業する訓練校に置いてきた。
「うん、流石キヨくんだね。あれだけで分かるなんて。
きっとね〜あの子は数時間前単位で買われた子だよ。
武器も何も持たされてないし、
何より服従も忠誠も無い、なぁんにも分かっていない。
まぁ、だから引き入れたんだけどね。
あの状況で武器を持った勇気は良いナイトになるよ。
それとも頭切れそうだから…プレイヤーかな？
センスあるかどうかわかんないけど、ルークもいけそう。」
それにもう、彼がどんなに戻りたいと願えど戻れなどしない。
「そうだな…」
「そんで…？何？キヨくんの口から聞きたいんだけど。」
下ろされていたスープのマグカップが
彼女の口元へ持っていかれると同時に
俺の目線も動いて目が合った。
「
スープをゴクッと飲み干した。
「ん〜。でも、こんな仕事だからなぁ。
そりゃあ、今のチームこれ以上無いぐらい最高よ？
だけど、そういうもんじゃない。
まぁでも君たちがﾀﾋにそうになったらﾀﾋなせないけど。」
「……。」
俺、色々勘違いしてるのかな…
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作者名：みこと | 作者ホームページ：http://なし)ー
作成日時：2023年10月14日 22時
