How to cure【実/況/者】 (ページ39)

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gt,us_慰め_#02 ページ39

更に一口と食べた。
泣きながらご飯を食べる姿は
心を締め付けるのに充分すぎたが、
俺たちからは何も言わなかった。

「何…してるんだろ…」

「うん。頑張りすぎだね。」

「壊れる寸前まで頑張るもんじゃねぇのよ。」

彼女がこんなにまで追い込まれるなんて。

「ごめんね、あんまり言いたくないけど…
でももう何連勤？」

「今日で11…明日で12。」

共有のカレンダーには彼女の仕事が休みの日に
チェックマークがついているのだが
ここ2週間は先週の月曜日のチェックマークと
明後日の日曜日のマークのみだ。

「はっきり言ってブラックだよ。
今回が初じゃないじゃん。
残業も毎日今日ぐらいの時間までやってるし、
軽く計算しただけでいろいろ越してるよ。」

彼女の状況はいろいろヤバいラインを軽々と飛び越えている。

彼女が頬を触った。
やっと自分が泣いていることに気がついたようだ。

机の右端にあるティッシュに手を伸ばしていると
彼女の斜め右前に座っていたうっしーが
ボックスを近づけた。

ティッシュを1枚取った彼女は拭くわけでもなく
そのまま固まった。
いろいろ考えが頭の中で回っているのだろう。

「マコ、いいかい？
仕事のために生活するんじゃなくて、
生活のために仕事をするんだよ。」

彼女がハッとした顔をした。
無言の時間が少し続いたがポツポツと彼女が話しだした。

「……なんかさ。自分の生活が
どんどん崩れていくのとか分かってたの。
ご飯食べるのも洗濯も掃除も休みの日じゃないと
本当に手が回らないし。」

「シェアハウスしててよかったね。」

「うん、本当。
うっしーが美味しいご飯作ってくれてるし…ね？」

「そりゃどうも。」

うっしーは照れくさそうだ。

「皆いるから一緒にゲームしたければ
いつでも出来るようになったし。」

やっぱり仕事があると物理的に時間がなくて
シェアハウス前は集まるのが難しくて断ることもあった。

「温かくて、楽しいんだよね。
だから…余計あったかさが染みちゃったのかな。」

「おでんだけに？」

思ったことがポロッと口から出た。

クスッと彼女が笑った。

「あーもう。いつもの実況なら滑るレベルなのに…笑」

「やっぱり可愛いよ〜？笑ってる方が。」

「クサイこと言ってらぁ…笑
まぁでも、それは間違いないからな。
いろいろちょっと動こ。俺もいろいろ調べるから。」

「そうだね。とりあえず明日は送り迎えするよ。」

「ありがとう。」

泣き跡を残して笑う君がとても綺麗だ。