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gt,us_慰め_#01 ページ38

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――――――

22時45分。玄関の鍵が開く音がして
廊下からペタペタと足音が聞こえる。

「おかえり〜マコ。」

「ただいま。ガッチさん。
珍しいね。2人とも今の時間にリビングいるの。」

たしかに滅多にない。
各々部屋で実況を撮っていたり、編集したり
趣味のことをやっていたりするからね。

「おかえり。おでんあるよ。」

「うっしーもただいま〜食べる。いつもありがと。」

彼女は会社員。
シェアハウスを始めて気がついたのは
彼女が勤めている会社は
かなりのブラック企業だということ。
帰ってくるのが遅く、コンビニ弁当にサラダやら
作ったとしてもあまりにもな簡易料理の
彼女を見かねてうっしーがご飯を作っているのだ。

「じゃ、温めとくから。手洗ってこい。」

「ありがと。」

洗面所へと向かう彼女。
うっしーは今日の晩ごはんのおでんを冷蔵庫から取り出して
電子レンジにかけた。

洗面所から帰ってきた彼女はキッチンの戸棚を開けて
自分の箸を用意。
ピーピーと電子レンジの音がなって
うっしーがミトンで器をテーブルへと運んだ。

水滴が付いたラップを剥がすと湯気がモンモンと立つ。

「美味しい匂いがする…」

「だろ?」

テーブルに湯気の立つ器が1つ並べられた。

「いただきま〜す。」

「めしあがれ。」

いつもはこのひっろいリビングで
しかも自らレンチンして
1人黙々と食べているのかな。と考えると
やるせないというかなんとも言えない気持ちになったので
出来るときは下に降りてこようか。なんて考えた。

大根を4等分にしてパクっと一口食べた所だった。

電話の音が鳴り響く。
彼女は急いで口の中のものを食べた。

「ごめん仕事。」

「気にしなくていいから全然出て。」

バックの中のスマホを取り出して
バタバタとしながら彼女は自室へと戻った。

戻ってきたのは本当にまだギリギリ日付を越していない。
ただそれだけの時間。

「温め直すか。」

「うん。」

返事を聞いてうっしーがもう一度ラップをかけて
電子レンジに入れた。

「…ごめん。ありがと。」

おでんは温まるまでに少し時間がかかる。
5分程でまた白く湯気の立ったおでんがテーブルに並んだ。

視界の隅で4等分した大根の2つ目を口に入れる。

今までスマホを見ていたので視界の隅に見ていたのだが
しっかりと視線を彼女に向けた。

頬に筋が出来ていた。

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作者名:みこと | 作者ホームページ:http://なし)ー  
作成日時:2023年10月14日 22時

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