us,ky_怪我_#01 ページ36
こちらへ早歩きで向かってくる彼女。
「マコ？」
異様な雰囲気の彼女を呼び止めたのはキヨ。
「…あっ…キ、キヨ…」
なんで彼女はこんなに怯えているのだろう？
怯えた彼女が来た方向からは
〇〇という顔見知りの実況者が歩いてきている。
キヨは〇〇を見つけると
「うっしー、マコと一緒にここから離れてくれない？」
彼女を高い背の後ろに行かせてから俺に指示を出した。
そのキヨを見て〇〇はにこやかに歩いてきたが…
キヨにそんな表情はない上
手にはいつの間にかスマホが握られていてしかもREC状態だ。
こんな怖い顔すんだ…お前。
「…行こ。」
小さな小さな動物に話しかけるときのように声をかけた。
肩に手を添えくるっと反転させ
左手を彼女の右の肩甲骨に手を添え直し2歩ほど歩いたとき
「マコ」
彼女の名前を呼んだだけで
よく分かっていない俺ですら背筋が凍るような声。
俺の横目には大きな目が
さらに大きく見開かれた彼女が見える。
おかしい…おかしいだろ、こんなの。
なんでこんな怯えてんだよ。
「お〜い、A。」
「もう名前呼ばないでやってくれねぇ？」
彼女の本名を呼ぶ声、キヨの冷たい声が聞こえる。
肩を寄せ歩いた。あとはもと来た道を戻るだけ。
「うっしー。ごめん、腕痛い。」
支えた場所が悪かったらしく位置を変えることになった。
「どうしてそうなったか。は言える感じ？」
だいぶ間が空いて彼女は答えた。
「…殴られた。」
「OK、分かった。じゃあ冷やそう。」
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作者名：みこと | 作者ホームページ：http://なし)ー
作成日時：2023年10月14日 22時
