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gt,ky_喘息_#02 ページ30

キヨが背中を叩くのをやめて
机をズルズル動かし
正面へと回り込んだ。

「まぁまぁ、まずゆっくり息吐いて〜

そしたら鼻からな。鼻からお腹いっぱい吸って〜
お腹意識してみて。いっぱい膨らんだ?

うん、そしたら、口からゆっくり吐いて〜
……マコ出来てるよ。もう一回いこ。

鼻から吸って〜…」

5分経った所でゆっくり、ゆっくりと落ち着いてきた。

「…よし、ガッチさん交代。
寝かしつけといえばガッチさんでしょ。」

つくづくコイツは真のバカではないのだと思う。
指示を出す人と安心させる人を分けるなんて。

「任せなさい、寝かしつけといえばガッチマンですよ。」

自らすら眠たくなってしまうような声を俺は持っている。
キヨと場所を交代した。

「マコ〜。」

「ガッチさん…」

「うんうん、ガッチさんですよ〜。
どうしたらいい?なんでもするよ〜。」

「…もうちょっと前来て。」

彼女の指示通り前へ進むと、意図的に彼女が前に倒れた。
肩に彼女の頭が来る。
肩に頭突きを食らっている感じの姿勢だ。

「…これクッション持ってたら姿勢しんどくない?」

「…これちゃんとしたら…ガッチさんもしんどいじゃん…」

俗に言う対面座位をちょっと崩したような姿勢。

「今、俺のこと心配しなくてい〜の。」

それならと俺がソファー側になって胡座をかき腕を広げると
彼女は素直に胡座の上に乗ってきた。

「すっごい頑張ったね〜もう大丈夫だよ。」

背中をトントンと一定のリズムで叩いてあげる。
自然と体がゆりかごのように揺れていた。

10分ぐらいはかかったのではないだろうか。

「…流石ガッチさん。」

「ひとまず良かったよ。
ねぇ、キヨも昔喘息持ってたの?やけに手慣れてたけど。」

キヨが冷静だったし、手慣れた感じがあったから
彼女も安心して全部任せられたのは確実にある。
でもちょっとした疑問点ではあった。

「マコと同じ。ちっさい頃はねあった。
その時に母さんとか父さんにやってもらったやつ
思い出してやっただけ。

でもこればっかりは憶測で進むの怖いじゃん。
だから調べてもらったの。」

「キヨのお母さんとお父さんに感謝だね。」

「そうだな。ちょっと肌寒いし毛布取ってこようか?」

「うん。お願い。」

まだまだ隙間風のような音が聞こえる。
キヨが彼女にかけた毛布は丁度暖かかった。

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作者名:みこと | 作者ホームページ:http://なし)ー  
作成日時:2023年10月14日 22時

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