How to cure【実/況/者】 (ページ29)

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gt,ky_喘息_#01 ページ29

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――――――

朝方4時。尿意で目が覚めた。

体がブルっと震える。半分以上寝ぼけた頭で階段を下る。

リビングで何か音がする…と開けっ放しのドアから覗いた。

「さぁすがにそれは驚いちゃうよ。マコ。」

暗いリビングのしかもソファーに座らず
机とソファーに挟まれた部分に女の子座りで
机に腕と顔を乗せ座り込むマコがいた。

「ガ…ガッチさ…なんで…？ｹﾎｯ」

机に乗せた服の袖で口元をグッと押え咳をする彼女。

「おじさんは尿意。大丈夫？」

「大丈夫、飲んだら…っ…部屋戻…る…ｹﾎｯ」

近づくと彼女がよく使っているマグカップがあった。

「…あー。咳が止まらない感じ？」

「うん…ｹﾎｯｹﾎｯ」

おでこや首元を触ってみたが熱がある様子はない。

「熱は無さそうだね。」

少しでも落ち着けばと背中を軽くポンポンと叩いた。

「…うっしーなら叫んでたな。」

部屋の電気がパチっとついた。
聞き慣れた、でもいつもより何倍もテンションの低い声。

「キヨも起きたのか。」

「起きたっていうか編集してた。水取りに来たの。」

リビングダイニングになっていて
キッチンにストックの水がある。

短い隙間風のような音が一瞬聞こえた。
音を聞いて選択肢が浮かんだ。

「…ねぇ、マコ。喘息持ちだったりする？」

しっかりと頷いた。咳がずっと続いていて可哀想だ。

「ガッチさん交代しよ。トイレ行きたかったんじゃないの？」
　
キヨは擦る手を交代しながら
ソファーの上に放置されていたクッションを1つ取った。

「マコ、これギュッとしてて。」

机から腕を退けてクッションをお腹あたりで抱えた。

「じゃあキヨ、ちょっと頼んだ。」

爆速でトイレへ行って帰ってきた。

「…ガッチさん。
吸入薬持ってないときの対処法調べてくれない？」

「わかった。」

子供の頃にしか発作が起きていなかったら
持っていなくても何ら不思議はない。

充電器に繋がっていたスマホをひったくって
階段を降りながら検索する。

リビングへつく頃に丁度検索結果が出てきた。

「飲み物飲ませて、姿勢は今の状態でそれで腹式呼吸だって。
それでも治まらなかったら救急車呼ぼう。」

飲み物はマコが用意していたから
それをキヨが飲ませた。

「マコ。」

「キ…ヨ…っ…？」

「うん、分かってるな。
マコ。少しずつだけど楽になるから、
俺の言う事ちゃんと聞いて。大丈夫だから、な？」

彼女がコクコクと頷いた。