How to cure【実/況/者】 (ページ1)

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ky_発熱_#01 ページ1

恋人設定
――――――

「怪我でもした？」

まともに入っていたとしても
絆創膏、体温計、爪切り、耳かきぐらいしか
入っていない衛生用品系が入っている引き出しを開けた。

「い〜や？」

「もしかして体調悪い？」

「俺じゃねぇよ。」

買ったままの箱に入った体温計を取り出し

「ん？」

「A。熱、測って。」

ソファーに座っている彼女へと渡した。

「私…？！」

「多分熱あるぞ。」

多分。というより正直測らなくても分かるぐらいだ。
目はウルウルとしているし
なんだかいつもと違って覇気がない。

「えぇっ、至って元気だけどなぁ。」

まぁ、無ければ杞憂だった。でいいし？と
すんなり体温を測る。
電子音は異様に早く鳴った。

「流石私の彼氏さん…笑。ぜ～んぶお見通しってこと？」

「そうですね。何度だった？」

このノリ自体は何時もの事だと軽くあしらった。

「…8度7分。」

「は？！」

衝撃的な数字が出てきた。
あっても微熱程度だろうと思っていたから驚きがデカかった。

「8度7分だって。」

こんなに高いとは思ってもなかった。

「寝てくれ今すぐに。
あ〜ちょっと待て、薬飲んでからにしよう。」

「我が家に薬があるとでも？」

「なんでそんなに冷静なんだ…
薬、冷えピタ、飲み物、食べられそうな物
色々買ってくる。何か食べたい物は？」

自分の頭の中でも整理できるように
買うものを声に出して
ソファーの背にかけてあった大きめのブランケットを
彼女の肩からかけた。

「ん〜カップのゼリーかな。味はなんでも食べれるよ。」

「分かった。
とりあえず寝てていいから。薬飲ませるために起こすけど。」

スウェットの上に上着を羽織って
財布とスマホを上着に入れ玄関へと向かうと
ブランケットを肩から羽織ったままの彼女が
後ろから付いてきた。

「…安静にだからな。わかった？」

「私はなんだと思われてんの…笑」

ツッコミが返ってくる内は安心だな。と
若干笑いながら靴を履いた。

「すぐ帰ってくる。」

振り向くと目がしっかり合った。

「うん。いってらっしゃい。」

あ～ぁ。状況さえ違えばコレなんて
憧れのシュチュエーションでしかないのに。

「いってきます。」

早く帰ってこよう。
一人の時間が好きな癖に案外寂しがり屋とかいう
愛おしくてたまらない彼女のために。