How to cure【実/況/者】 (ページ27)

今日:2 hit、昨日:19 hit、合計:2,501 hit

us_発熱_#02 ページ27

「え。今までどこいたの？」

「ん？あ。あぁ、レトルトか…
朝連絡した頃からリビン…ｹﾎｯ…グのソファーでﾀﾋんでた。」

「はぁ…」

「お説教は後でね、うっしー。」

ガッチさんが若干の笑みを浮かべながら言う。

「あった。体温計…ｹﾎｯ…ちょっと待ってね。」

30秒程で電子音が鳴った。

「何度？」

「9度2分。」

「…え、マジで。」

キヨがドン引きしている。

「…終わってからそっち行くわ。」

「ダメ。――兄(〇〇にい)、伝染るよ。」

「そんな高熱のやつ放置しとく方がダメだろ。
あと俺の実況1本分だから待ってろ。いいなA。」

久しぶりに呼ばれた『――兄(〇〇にい)』という呼び方。
それに反射的に反応して彼女の本名が出てきた。

「…ｹﾎｯ…分かった。」

そうとなれば。と電話を切り、すぐに撮影を始めた。
運良く俺が一番最後だったので
いつも通りぐらいの50分程度程で終わらせた。

撮影が終わってからタクシーを呼び、レトルト邸を出た。

買い物をしてから彼女の家へ行き、
オートロックのボタンを押すとかろうじて彼女が出てきた。
その時に伝えられた衝撃なこと。
自分の家の鍵は空いているのだと言う。
鍵は連絡してまだ動けると判断したうちに開けていたようだ。
危ないが、今回ばかりは仕方がない。

エレベーターすらも遅く感じる。

彼女の家へ入るとインターホンを対応して力尽きたのか
リビングのソファーに転がっていた。

「熱は？」

「さっき測ったら8度ま…ｹﾎｯ…では下がった。
薬はちゃんと効いてる…ｹﾎｯ
あのときは丁度薬切れてて…あの体温だったみたい。」

「そうか。咳は相変わらずっぽいな。後は？」

「頭…と関節も。咳の度響く…ｹﾎｯ」

「明日病院確定な。」

「ごめん…なんかいっぱい。」

困り眉の彼女は本当に申し訳無さそうだ。

「たまの不調は仕方ねぇよ。とにかく今は水分取って寝な。」

現在時刻は21時過ぎ。

「うん、そうする。」

買ってきた経口補水液を飲ませ、寝室に押し込んだ。
リビングで持ってきていたパソコンで編集をしながら
彼女の様子を確認していた。

30分後。
そっと様子を見に来たのだが寝れているようだった。
とはいえ眠りは浅いだろう。とすぐに撤収した。