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しんだ？
強く強く瞑っていた目を恐る恐る開けてみる。
後ろを振り向くと力無く彼がソファにもたれかかっていた。
『しんだ？』
爛々とルビーの様にいやらしく輝いていた眼には、LEDライトが反射しているだけだ。身体も、筋肉が働いているとは思えない。だらんと垂れ下がっている。
やった、
喜ぶべきことなのに。頭には殺人の二文字と、ありえないほど重い罪悪感という錘がのしかかっている。
全身の血の気がさっと引いていくのがわかる。全身の震えが止まらない。目がどこもかしこに右往左往して、目の前の死体に焦点が合わさらない。
わたしが、殺した。
膝から崩れ落ちる。冷や汗と鳥肌がおさまることを知らない。
カタカタと膝に置いてある拳が、力無く痙攣しているのがわかる。
どうしよう。
意味もなく、視線を上に向けようとした。
「ばぁ」
見覚えのある、濃紅がこちらをにやにやと見つめている。
『ぁ、よかった、』
口から出た言葉が、彼への嫌味ではなく安心からくる生易しいものだということに酷く驚いた。小さく、本当に小さくアリの足音くらいには小さかった声なのに彼の耳には充分過ぎるくらいに届いていたようだ。
「ヘー？アイツをまた助けられなかったのに、お前ってやつは本当サイテーだな。」
ああ、こればかりは否定できない。
またこれで、キミは安心して生きられないというのに何を安心してしまっているんだ。
自責の念に苛まれていると、言い返してこない私を良く思ったのか追い討ちをかけて来る。
「やっぱ、アイツと付き合ってる価値ねえじゃん。早く別れろよ。」
キミには私しか似合わない。いつもならそう思っているが、精神が弱っている今の私の心を揺らすには十分すぎた。
「だってAチャンはさァ、結局は人間じゃん。そりゃ、好きな人なんかより自分優先しちゃうよな。大丈夫だぜ。それが当たり前だから。」
意外にも、励ますようなことを言われて若干困惑する。慰めのつもりなのか知らないが、頭を撫でようと手が近付いてくる。
思わず、それをはたき落とす。
『…同情のつもり？それ。だとしたらやめて。人間でもないアンタが好き勝手言わないで。』
こんなところで、萎縮してる場合じゃない。
『同情するくらいなら死んで。』
一瞬顔を歪めたと思ったが、いつものニヤケ面で彼は嬉々として言った。
「…そうこなきゃナ」
「あと８日あるんだし、お互い頑張ろうぜ」
深い、深い、溜息を吐いた。
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。(プロフ) - ポメさん» 作品を読んでくださり、有難うございます！そこまでストレートに褒められるなんて光栄です。これからもこの作品に乞うご期待を。 (3月27日 23時) (
レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
ポメ(プロフ) - 言葉に表せないくらいに最高です!!!! 次回の更新も楽しみにしてます！ (3月27日 6時) (レス) id: 8673ceb004 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - あさん» 作品を読んでくださり、有難うございます！褒め言葉で究極とまで言われてしまうとは、嬉しい限りです。これからもこの作品に乞うご期待を。 (3月14日 0時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
あ - は〜〜〜え〜〜、なんか、何だ、もうあれです、究極的に好き…。楽しく(？)更新頑張ってください、待ってます！ (3月13日 18時) (レス) @page9 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
。(プロフ) - ヨーグルトさん» 作品を読んでくださり、有難うございます！感想だけでなく、応援まで…モチベーション上がりまくりです！更新は不定期になってしまいますが、乞うご期待を。 (3月11日 23時) (レス) id: c787972aae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：。 | 作成日時：2024年2月3日 23時
