青い鳥よ 紅茶を欲せよ ページ36
山のように積まれた報告書に埋もれながら鶴はため息を吐き出した。山のように積まれている報告書は明日には読み終わるだろう。書類が積まれる間からは頭に拳骨が落とされたクザンが座り報告書を読んでいる。クザンの頭はまるでトリプルアイスのように3段に積み上がった拳骨がある。１つ目はサカズキから。２つ目はガープから。３つ目はセンゴクだ。
鶴「センゴクもガープも過保護だねぇ。」
鶴は寂しそうに言う。クザンは報告書を読む事に集中して聞こえてないらしい。クザンは本来真面目な男だった。昔は能力と逆の「燃え上がる正義」を掲げた男。今やその正義は「ダラけきった正義」に変わったが、彼の中の正義の信条は何も変わらない。
まぁ昔からサボり癖があったのも確かだから掲げる正義が変わったとしてもクザンはクザンなのだ。
先程まだ来ない船を待ちわびていたセンゴクがついに部屋を飛び出して行った。ガープも後追い飛び出した。アグネスは鶴にとって娘同然だ。センゴクにとってもガープにとっても娘同然だろう。幼い頃から見守ってきた。可愛く思わない訳がなかった。クザン達も幼いアグネスを知っている。まだ中将だった頃の３大将を遊びに巻き込んでいたのも思い出だ。
鶴「クザン。サボるんじゃないよ？」
鶴はサボらないようにクザンに言い聞かせ部屋を後にした。クザンは報告書を放り出したい気持ちを抑え読み続ける。終わらなければセンゴクの拳骨だけでなくアグネスの長い説教が待っているからだ。アグネスは怒った顔も可愛い。だが報告書の事に関しては鬼のように厳しい。しかも昼の事を考えると長い説教だけで終わらない可能性もあったからだ。
青「はぁ…。まだ結構あるな。」
クザンは新たな報告書に手を取る。眠気覚ましのコーヒーに湯気はない。時間のせいもあるがクザンの能力のせいでもある。氷の能力を持つ体はひんやりと冷たい。クザンは自らブレンドする程コーヒーが好きだ。特に淹れたてのコーヒーは格別だ。今のコーヒーは中途半端な温度で美味しく感じない。コーヒーを淹れ直すのも飲むのも諦めクザンは報告書に目を戻す。細かく詳細に記録された報告書はアグネスの筆跡で書き上げられている。少し前の手伝ってくれた夜を思い出す。紅茶をあまり飲まないクザンにとって紅茶を飲む機会といえばアグネスが入れてくれた紅茶だ。
青「まいったな。紅茶が飲みたくなったよ。」
クザンは頬杖のまま呟く。その独り言は報告書だけが聞く。青い鳥は美しき姫の甘い紅茶を欲してる。
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黄部屋の住人（188号室）(プロフ) - サタケさん» 返信ってこうやるんね？コメントに書き込んじゃったがな。改めてサタケ様！コメントありがとう！これからも頑張って書いてくけね！ (2019年10月26日 20時) (
レス) id: 7af9d455f8 (このIDを非表示/違反報告)
黄部屋の住人（188号室）(プロフ) - 素直にありがとうございます！ただ妄想の吐口に書いていたからコメントまで貰えると思いわんかったです。応援してくれてありがとう！作品が好きって言ってくれて嬉しいがな照れるがな。 (2019年10月26日 20時) (レス) id: 7af9d455f8 (このIDを非表示/違反報告)
サタケ(プロフ) - 初めてコメントします。貴方の作品すごく好きです！主人公の設定がもろ好みです！これからも応援したいです！ (2019年10月26日 18時) (レス) id: d959334d8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黄部屋の住人（188号室） | 作成日時：2019年9月18日 23時
