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AM11:00
久しぶりのベッドで起きる朝はあの寝心地の悪い寝袋とは大違いで数日の疲れすらも一晩で一気に回復したように思えた。
外では男女がプールでキャッキャとはしゃぐ楽しげな声が聞こえている。

どうもまだなれないなと眠い目を擦りため息をつく。

今日の夜にはげぇむに参加して日数を稼ぐ必要がある。
ギリギリで挑むより何かあった時のために数日は確保した上で動きたい。例えそのげぇむで自分が死のうとも、それは運命であったと思えるだろう、か。

特にすることも無く外から聞こえる黄色い声にくだらないと思いつつ耳を傾けながら頬杖をつく。
この中で仲良く出来そうな人はと、考えてみたがいつ何が起こるかわからない世界だ。考えるだけ無駄だった。

半日、なにかする訳でもなく過ごしてしまったと多少後悔はしたもののげぇむでも行くかと重い腰をあげビーチのエントランスに向かう。

「ふーん。Aも行くんだ。」
「そろそろ補充したくて。」
「まだ数日残ってるでしょ。」

俺はあと4日だけどと言いながらチシヤも今夜のゲームに参加する気満々だ。

「げ、アグニと一緒じゃん。」
「アグニ…?」

目線の先には大柄な男性とその手下のような人。そういえば最初にボーシヤと会った時に少し離れたところにいた人だ。今回どうやら一緒のゲーム会場らしい。
目線に気づいたのかアグニは口を真一文字にしてこちらに向かってくる。どうせ足を引っ張るなとかそんなところだろう。

「死んだら置き去りだからな。」
「へ?」

下っ端を連れて会場に向かう車に乗り込むと早く乗れと目で合図している。
直訳すると死ぬなということだとチシヤが教えてくれた。
ああ見えてアグニは優しいと思う、なんて少し笑いながらいうもんだからちょっとイメージが変わった。


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作者名:ゆゆたま | 作成日時:2023年5月11日 2時

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