還る場所。 (ページ11)

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このビーチでは夜な夜なトランプを集めにげぇむに参加するようだ。ビザが切れそうなもの、積極的に参加したいものそれぞれだ。
勝てばそのトランプを幹部、いやボーシヤに提出。そしてまたトランプを集める。ただそれだけのようだ。
これはどうも賛成したくなかったが、ビーチでは水着着用らしい。例えばトランプや武器など水着だったらなかなか隠すことが出来ないからだとか。

そしてトランプを全て集めることができれば1人が元の世界に戻れる、らしい。
あくまで仮説であり誰もどうなるかは、わかっちゃいない。ただその夢を見せるために駒達は毎晩せっせと働きアリのごとく、ボーシヤの為にトランプを集めていると考えるとなんだか情けなくなってきた。

しかしやはり人数が多いと集まるトランプは桁違いに早い。
ダブりも多少はあるようだが絵札と他数枚でコンプリートしそうな勢いである。

「で、あなたが欲しいのはこれ？」

ポケットから取り出した♡4のカードをチラつかせると全員の目の色が変わったのがわかった。
いかにも生意気そうな武器を持った男がそのカードを取り上げようと手を伸ばしたがAはニヤリと笑い後ろに隠す。
それが癪に障ったのか銃を突きつけられた。

「このクソアマ、舐めてんのか。」
「あなたに渡すんじゃない、ボーシヤに渡すの。」
「…てめぇ、覚えとけよ。」

聞こえるように舌打ちをして笑う男を無視してボーシヤにカードを手渡す。彼は感謝する、とAの手を握った。

「さぁ、Aを部屋に案内してあげてくれ。」

ボーシヤはサングラスをかけた女性にそう言うと彼女はこっち、とだけ言ってAを置いて部屋を出た。
横にいたチシヤが肘で行かないのかと突いてきたところで我に返りAはその女性の後を追った。

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