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全員顔を上げ先生をみる。
正解だと思った。開放されると喜ぼうとした。そんな顔が一気にどん底に叩きつけられたような絶望の顔をしている。
Aもその一人だ。じゃあやっぱり自分が殺したのではないのか。さくらじゃなければ自分しかいない。
「先生、私...！」
「A、俺の話を聞け。」
先生は最後までは言わせなかったがそのAの答えも違うという。
「たしかに景山はクラスメイトから無視されていた。そして親友と思ってたお前にも避けられて深く傷ついた。でもそれが亡くなった理由じゃない。」
さくらは違うと首を振り私のせいだと先生に訴えかけたが、先生は語気を強くしてお前のせいじゃないと言った。じゃあ誰のせいなのか誰もが疑問に思う。
さくらが自分が犯人だと言っていたけど少なからず唯月や香帆、隼人だって自分かもしれないって思ってたはずだ。考えがまともであれば。
でも無視されていた事で自さつしたと言うわけではないようだからこのクラスメイトのなかに犯人は居ないのではないのだろうか。
「なんであんたにそんなこと分かるんだよ！」
里見が身を乗り出し先生に問う。きっと澪奈から聞いたのだろう。だって澪奈は先生を頼っていたから。Aでもさくらでもない、先生を頼っていた。
たしかに先生は本人から聞いたと里見に答える。やっぱり誰も知らないような相談事を先生にしていて先生はきっと誰が犯人なのかも分かっていてこの授業をしているのだろう。
「何にアイツが苦しんでいたのか。」
「なら景山は誰に何されて自さつしたって言うんだよ！」
隼人は苛立ちを隠さず目の前の机を蹴った。
「隼人、それが卒業式までの課題だよ。」
「そうだ、Aの言う通りその為にここにお前らは居るんだぞ。」
隼人はついにキレて先生に今にも飛びかかりそうだったが先生が話しをし始めたことにより椅子に腰を下ろす。
誰もが先生の最初の言葉を忘れてはいない。
「なぜ、クラスメイトが死ななければならなかったのか。卒業までの10日間で一緒に考えるんだ。」
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作者名：ゆゆたま | 作成日時：2020年4月9日 1時
