【ヒロアカ】優先事項【FGO】 (ページ7)

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マスターは5人がその黒い人と戦っている間、黙々と地面に何か…たとえば、魔方陣の様なもの…を描いていた。そしてその魔方陣の真ん中に、何かを置く。終わった、と立ち上がると、右手を前に差し出した。

「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。降り立つ風には壁を。」

　マスターは口を開いた。そこから漏れるのは、何かの口上の様なもの。

「四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

　マスターが口上を述べるのを横目に、爆豪がその黒い人へ突進していく。それを、黒髪の少女が止めた。

「っ、馬鹿か君は…っ！？あれは、君らなんぞじゃ倒せない。…あれにぶつかりに行くのはただの自殺祈願者だけだ」

　少女はその端麗な顔を歪める。爆豪もなにも知らないからか、何かを言うことはできなかった。

「閉じよ(みたせ)、閉じよ(みたせ)、閉じよ(みたせ)、閉じよ(みたせ)、閉じよ(みたせ)。
繰り返すつどに五度
ただ満たされる刻を破却する」

　マスターは、ひどく冷静に続ける。彼女の右手と魔方陣からは、赤い光が漏れていた。

「──────Anfang(セット)」

　黒い人は遥かに多い人数である5人に引けをとらない。それほどまでに、つよい。

「──告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意この理に従うならば応えよ」

　マスターが目を開く。その橙の瞳が、怪しく光る。

「誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者。
我は常世総ての悪を敷く者」

　しかしその瞬間、緑谷たちの目の前にその黒い人が現れた。しまった─そう思ったときには遅く、その黒い人の腕は、緑谷に降り下ろされる。

「されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。
汝、狂乱の檻に囚われし者、我はその鎖を手繰る者」

　ガンッッ…！

　緑谷が目を開くと、目の前を白が覆った。バーサーカーと呼ばれる少女だ。彼女が、銃で腕を受け止めている。

「汝三大の言霊を纏う七天。
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ───！」

　マスターが叫ぶと、その魔方陣を中心につよい烈風が吹き、辺りを包んだ。それにマスターは勿論少し離れた場所にいたプロヒーローや生徒たちも目を瞑った。

　そして目を開けたとき、そこにはさっきまでいなかったはずの男が立っていた。