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青い蝶が退けると、そこには二人の男性が立っていた。
ひとりは白髪の髪と綺麗に揃えられた口髭に、青い瞳を持つ…周りに蝶が飛んでいる中年の男性。
もうひとりは焦茶の紙を後ろで緩くまとめ、光のほぼ入っていない黒の瞳を持つ中年…と言うには多少若い男性。
「私を呼んだかナ、マスター君」
「めんどくさいけど…まぁやりますよ、っと」
「うん…とりあえず、アーチャーとランサーはこのゴーレムを倒しつつ襲われてる人がいたら助けてあげて。キャスターとルーラー、バーサーカーは倒す方優先で」
主と呼ばれた少女は明らかに年上であろう5人に声をかけた。しかし5人は嫌な顔ひとつせず、その指示を聞いた。
───────
「キャスター、『国王一座』！」
「リア王の受難！」
「っ、ルーラー！『永劫回帰』」
「私は畜群にはならない」
「バーサーカー！『カリスマA』！」
「弾が足りんぞ！」
──圧巻であった。
主と呼ばれる少女は指示をだし、他の5人はそれに従う。しかしそれだけでなく、その少女は自らが狙われた際も驚くことさえなく冷静に対処している。
「『ガンド』！」
それどころか、少女でさえも戦っている。それを見ているだけで緑谷は…緑谷たちは、己の無力さを知った。この何者やも知れぬ少女は、きっと自分達と同年齢なのだろう。しかしどうだ。少女は、明らかにこういった状況になれている。まるで、少し前まで命を狙われっぱなしだったかのように。向けられる殺意に対して、微塵も怖じ気付いていなかった。
そんな中、オールマイトも脳無と戦っていた。なんとか倒そうとしているようだ。
「っ、このままじゃきりがない…！みんな、宝具撃てる…！？」
「勿論ですぞ！」
「当たり前だ、マスター(マインフューラー)！」
「そうだね。私も十分だ」
「オーケー、さすが私のサーヴァント。…それじゃあ、三方向に向けて宝具開放！」
少女がさけぶ。他の3人は嬉々としてその瞳を輝かせた。
「いざ、開演の刻！！」
「さぁ、現実を見るがいい」
「ハッハッハ！さぁさぁさぁ、戦車を持って来い！」
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作者名：黒崎 | 作成日時：2019年3月16日 18時
