8話 ページ9
次の日
｢おはようございます、主様！鳴狐とお供の狐！只今到着しました！｣……｢おはよう｣
鳴狐とお供さんが約束通り来てくれた……早朝5時に……。ま、まあでも正直ほっとする。今の所この1振と1匹が本丸と審神者を繋ぐ掛橋なのだ。今日は予定も有るので早く起きていたが、明日から早起きしよう。
｢おはようございます、只今緑茶と朝餉をお出ししますね。｣
と言い緑茶を入れながら、お供の狐ちゃんに景趣についてと粟田口について詳しく聞いた。
｢景趣については｢3月なら普通春の庭だろう！景色は大事なのに…｣や｢傘の無い本丸でいきなり雨とは驚きだぜ！｣等批判的な意見が多いですねぇ｣
そうこうしているうちに緑茶がはいる。桜でんぶが乗ったお稲荷さんとデフォルトお稲荷さんを二つづつ、狐には1つづつ多分雑食狐だろうし大丈夫だろ精神で盛り付ける。
盛り付けをしている間に朝も早く疲れているのだろうこんのすけが寝てしまっていたので寝室に移す。
お供の狐は、食べながら粟田口について話してくれた。
｢うちは初期から実装されている刀はしっかりと全員居ますが。1振り目の刀は誰一人おりません。これは粟田口だけでなく本丸全体の事です｣
成程、前任は折れた刀の数ちょろまかしてたのね。初期の頃政府は刀について余り履歴取ってなかったころだし、妥当っちゃ妥当か。
｢え？……話逸れちゃうけど……てことは……建て直し報酬難度が1番高いのは……｣
｢はい！政府は1振り目、つまり傷が1番深く、一番審神者に対し敵対する層が全員折れてしまった事を知りません……ですので色々勘違いしてこの本丸が建て直し報酬金額1位……つまりは一番酷い本丸になっております！｣
こんのすけを確認すると、未だ眠っているようだった。良かった…これがバレたら1度監査が入り私の報酬が消えてしまう。私は熟睡しているこんのすけを刀剣男子用の眠り薬をたっぷり仕込んだ布でぐるぐる巻きにし押し入れにぶち込む。
｢成程、粟田口の子達は？｣
｢あ、そうそう！朗報です！塗り薬をくださった主様にお礼に来るそうですよ｣
｢それはそれは楽しみですね、粟田口の子達が来るまでにお稲荷さんを沢山作っておきましょう｣
と微笑んで返すと｢手伝うよ｣と鳴狐が進言してくれた。
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作者名：名無し12503号 | 作成日時：2020年9月17日 13時
